猫だらけ「お台場ネコフェス」、猫好きによる猫好きのためのイベント。

2015/06/17 18:24 Written by Narinari.com編集部

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東京・台場のイベントスペース・TOKYO CULTURE CULTUREにて、猫好きによる猫好きのためのイベントが開催されました。その名も「お台場 猫フェス!〜ソトネコ写真と猫本トークと猫ナマ撮影会!〜」。

これまで数多くのイベントが行われてきた東京カルチャーカルチャーですが、猫が出演するのはもちろん初めて。神楽坂在住のアイドル猫である「もんデラックス」が登場するほか、愛猫の“同伴”も可能。人に馴れている飼い猫なら参加できるとのこと。「そうは言っても、猫は知らない人間を怖がるし、どうなるのだろう……?」と思いながら会場に向かいました。

◎【ネコだらけ】猫写真、猫心理テスト、猫本、猫グッズ、猫みくじまで。

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扉には「ネコがいます! ドアを開けたらすぐ閉めてください! 開けるときもネコが足元にいないか注意してください!」という注意書きが貼られていました。猫が逃げたら大変ですからね。

会場には予想外に多くの猫たちが来ていました。若干緊張している様子の猫ちゃんもいますが、一般的な飼い猫からすると考えられないほどの大らかさです。

猫が主役ですから、猫トイレもしっかり用意されていました。猫の写真パネル展示ブースのほか、今年の4月に神楽坂で開催され、連日満員を記録した「猫と心理テスト展」のアンコール展示もありました。

それぞれの猫写真が心理カウンセラー・清田予紀氏が監修した心理テストになっていて、カワイイ猫の写真を見ながらQ&Aに答えると、隠された自分の心理が分かるという仕組みです。

例えば……Q「白いソックスをはいた猫。あなたなら、代わりにどんな色のソックスをはかせてあげたい?」など。猫の写真と心理テストが同時に楽しめる、一石二鳥の展示です。

「猫本専門店にゃんこ堂」による、猫グッズの販売スぺースも充実しています。書籍をはじめ、ソトネコポストカードや、ペンケース、バンダナ、しおりなど、様々なにゃんこグッズが。思わずポーチを買ってしまいました。

ありがたーい(?)「猫みくじ」なんてものもありました。猫好きはまんまとひいてしまうのです……。

◎拍手もひかえめに! 猫に配慮したイベントスタート。

猫を愛する人しかいない空間のため、「大きな音を立てない」「急に動かない」など、猫が嫌いな動作を誰ひとりとして行わないという暗黙の了解がスバラシイですね。拍手でさえも静かに行われ、フェスが進行していきます。時折、客席から「ニャー」というお客さんの声が聞こえてくるのも、非常に可愛らしいです。人間のお客さんたちの頬もゆるみっぱなし。

まずはソトネコ写真家・南幅俊介氏による、ソトネコの選りすぐり写真を解説つきで聞くスライドショー。ちなみに“ソトネコ”とはいわゆる野良ネコのこと。「野良(ノラ)扱いなんてあんまりじゃん? イエネコ(飼い猫)、ソトネコって呼ぼうよ!」ということだそう。お外にいる子は全部“ソトネコ”です。

猫の島として有名な青島は、船着き場からすでに猫まみれなのだとか。

じっとこちらを見つめてくるネコたちの写真に、会場からはため息が。こんな目で見られたいです。鞄いっぱいにカリカリを詰めていくしかないのでしょうか。

猫写真を撮るために何度も島に通うので、子猫の成長を見ることも楽しみのひとつだそう。

自分と同じくらい大きな生魚に、一生懸命かじりついていたいたいけなちびっこ。たくましく育った姿からはボスの風格が漂います。


◎秘密兵器も登場! 猫写真撮影のワークショップ

南幅氏がじきじきに、猫を上手に撮影するポイントを教えてくれるワークショップも開催されました。基本的にお猫様は気分屋で飼い主の言うことは聞かないので、みなさん写真撮影には苦労しているハズ。

神楽坂のジュエリーショップで、店員にゃんを務めているスター猫のもんちゃん(モン・デラックス)がモデルとして登場しました。お客さんに囲まれても一切動じず、でも気まぐれさは発揮しつつ、南幅氏を翻弄しながら撮影が始まります。

<猫を撮影するポイント>
・ソトネコ撮影は、まず猫を見つけるところから
・猫がいそうだな、というポイントを見つけたら、ビニール袋をカサカサさせてみる。
(もんちゃんは完全無視! 猫によって好みがありそう)
・カメラの設定はオートフォーカスがおすすめ
・レンズを覗きっぱなしにせず、肉眼で見ながら撮る。
・猫の目線が欲しければ、レンズの上あたりで猫じゃらしを動かすことで、ちょうどいい目線になる。

南幅氏が独自に開発した「アタッチメント猫じゃらし」。カメラに取り付けられるようになっており、ちょうど猫の目線がレンズのやや上に向きます。これはすごい大発明品です。

教わったことを守りながら、もんちゃんのご機嫌をうかがいながら撮影に挑戦。

すると、いつもとは全然違う仕上がりです。もんちゃん、カメラを向けても嫌がらずモデルとしての役割をしっかり果たしていました。大人気で常に人だかりが出来ていましたが、動じないのがすごい。




◎品ぞろえ世界一!? 猫本専門店にゃんこ堂が選んだ、猫本ベスト10

猫本専門店にゃんこ堂店主兼、猫本コンシェルジュのアネカワユウコさんによる、猫本ベスト10の発表もありました。

「アーティストが愛した猫」
本来は取材や撮影がNGである場合でも、「飼い猫の撮影をさせてください!」とオファーすると、本人ばかりでなく室内まで撮影OKになることも多いとか。

「みさおとふくまる」
みさおお婆ちゃんと、生まれつき耳が聞こえない猫・ふくまるの写真集(両眼の目の色が違うオッドアイの子は、何らかの障害を持つ可能性が高いと言われています)。言葉はないけれど、写真を見ているだけで絆の強さが伝わってくるようでジーンとします。

「猫ジャンプ」
新しい猫写真のジャンル。今、大人気なのです。人が猫を投げているように見えますが、長い猫じゃらしを使って、猫みずからに飛んでもらい撮影しているそう。

他にも漫画から図鑑まで、色々な本を紹介していただけました。にゃんこ堂は神楽坂に実在するお店なので、気になる方はぜひ行ってみてください(姉川書店という本屋さんの中にあります)。




◎あなたはどんな猫? 猫心理テストライブ

ニャングラムを会場の参加者全員で試し、それぞれのタイプごとに解説するコーナー。ニャングラムとは、性格診断テストとして定評のあるエゴグラムを元にして、この展覧会のために考案されたものです。



筆者のニヤングラムは“M字型”になりました。結果は「あなたはネコ耳タイプです。明るくほがらかで楽しいことが大好き。浮気性。」……なんと。途中まで良いことが書いてあるのに耳が痛いです。他にも「右片耳タイプ:人間関係に波風を立てない円満型」など、面白い分類分けがされていました。

今回のフェスは楽しむためのコンテンツだけではなく、地域ネコについての説明やTNR(ソトネコに避妊去勢手術をして元の場所にリリースする活動)、TNRをしたことがひと目でわかるさくら猫(リリース後、人間が見て判別がつくように片耳を桜の花びら形にカットすること)のことなど、社会的な問題点についての話もありました。参加したお客さんたちも、自分たちの地域にいるソトネコたちについて意見交換をする姿が見られました。

地域によってはソトネコは捕獲機をしかけられ、センターですぐに処分されてしまうところもあります。耳カット済であればそうした事態を避けられるので、個人的にもこの習慣が広がることを願っています。

また、猫が集まる猫フェスだけあって、ネコファッションで来場したお客さんもたくさんいらっしゃいました。

・インパクトがある猫の顔のビックプリントTシャツを着た人。シュシュもネコ柄でした。

・猫好きで知られる「しょこたん」こと、中川翔子さんデザインのTシャツ。ロックバンドのツアーTシャツみたいでカッコ良かったです。

・服だけでなく、バックもねこ!

・来場したご本人(猫)の写真がプリントされたバックに、娘さんの手作りだと言うぬいぐるみを付けた方も。ぬいぐるみ、そっくりでした。

猫をテーマとしたイベントは数あれど、実際に猫が出演し、猫がお客さんとしてやってくるイベントはなかなかありません。猫たちがいる空間の中で、猫コンテンツを楽しめる猫好きにはたまらないフェスでした。

ずっと前から猫フェスを開くのが夢だったという、主催チームの面々。もう既に次回もまた開催することを心に決めたとのアナウンスのあと、フェスはお開きになりました。

※この記事は、情報サイト「イベニア」編集部(文・写真 小松田久美 )が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。



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