“パクチー教”パク充たちの宴、「みんなで89!89!」イベントレポ。

2015/05/25 20:08 Written by Narinari.com編集部

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元祖パクチー専門店「パクチーハウス東京」が5月19日、「みんなで89!89!パクチーハウス阿佐ヶ谷」として、阿佐ヶ谷ロフトAにやってきた。“パクチー伝道師”である佐谷さんのディープなパクチートークと、美味しいパクチー料理が楽しめるイベント。パクチー好きは行くしかない!

◎“パクチー教”教祖、本日も絶好調。

この日はパクチーTシャツで元気いっぱいの佐谷さん登場。下は石巻で購入したという大漁旗をリメイクしたパンツを着用し、スニーカーもパクチー色だ。

佐谷さんのほかにゲストが2人。1人目はフリー素材のモデル、大川竜弥さん。ネット広告のバナー「えっ……俺の土地、こんなに高く売れるの……?」の人である。フリー素材モデルのほか、トークライブに出演するなどタレント活動もしているという。ネット上のどこかで何度か見ているので、初めて会った気がしない。「最近パクチーを初めて食べた」というパクチー初心者だ。

もう一人のゲストは、佐々木心音(ここね)さん。女優、グラビアアイドル、タレント、シンガーソングライターなど幅広く活躍している。パクチーが好きすぎて、ベランダで栽培していたほど。この日はパクチー色のベストを着ていて、森の妖精のような可憐さだ……。

パクチー好きの心音さんとは対照的に、「パクチー初心者でも、パクチー好きになれます?」という、進行役である阿佐ヶ谷ロフトの店長・前川さんの質問に、「間違いないです!」と力強く答える佐谷さん。「パクチーが嫌いな人は世の中にいないんです! みんなで好奇心をもって食べ続けましょう!」 パクチー教の教祖は、この日もはりきっている。


◎毎日パクチーの方向に向かってお祈り。謎のパクチー狂会とは!?

さっそくこの日1回目のカンパク! カンパクとは、旅先で知り合ったスウェーデン人に「世界で一番盛り上がった乾杯の音頭」を教わった佐谷さんが、パクチー好きのために、アレンジして作ったパクチーハウス流の乾杯音頭。「ビーラ!ビーラ!ビーラ!」(※ビーラはスウェーデン語でビールの意味)と佐谷さんが叫ぶと、お客さんが「パク!パク!パク!」と応える。そのかけ声を繰りかえし、最後「カンパーク!!!」で乾杯。

「ビーラ!ビーラ!ビーラ!」と叫ぶ佐谷さんの声量がすごい! 負けずに(負けるけど……)「パク!パク!パク!」と大きい声で返す。ジョッキ片手に立ち上がり、みんなでカンパクをすると、場の一体感が高まる。ちょっと恥ずかしいけど、大声を出すのは気持ちがいい。

佐谷さんは、20年前から日本のあらゆる居酒屋でカンパクを広めてきた。「静かにしろ!」「うるさい帰れ!」などと言われながらも、根回ししてほかのお客さんを巻き込み、普及させてきたそうだ。「パクチーハウスでは、騒ぐ人歓迎。誰も追い出しません」と佐谷さん。酔っ払うとつい声が大きくなる人には、ありがたい店だ。

佐谷さん「私、佐谷恭は、一般にキョーパクチー(kyo paxi)と呼ばれています。パクチーというのは便利な言葉で、〜“さん”や、〜“部長”のように、敬称としても使えます」
大川さん「それはキョーパクチーが決めたことですか?」
佐谷さん「いえ、日本パクチー狂会が決めたことです」

日本パクチー狂会会長は、もちろんキョーパクチー。ここからそれぞれ、心音パクチー、大川パクチーと呼び合う仲に。

パクチー狂会は、インターネットのコミュニティ。オフ会でにやってくる人は30〜50人くらいだそうだが、実際に会員は8,900人以上いるという(8900人を超えてから数えるのをやめたらしい)。この団体は、パクチーの普及と、毎朝・毎晩8時9分にパクチーの種を蒔いた方向に向かって祈るという活動をしている。

ちなみに、佐谷さんがパクチー狂会のドメインを更新し忘れたため、現在パクチー狂会へ入会するための入り口がない……。「手続きしなくても大丈夫。いつでも心にパクチーです」と佐谷さん。ということなので、筆者もパクチー狂会へ入会したものとする。

パクチー狂会会長をはじめ、以下が佐谷さんの肩書きだ。

・日本パクチー狂会 会長
・Chairman of International Paxi Organization(IPO)
・パクチー銀行 頭取・株式会社旅と平和 代表取締役
・経堂・農大通り商店街 理事
・日本手食協会 理事
・全国がビアガーデン協議会 総裁
・ご当地ソーシャルマラソン(Cialthon)協会 会長

どうやったらこれだけいろんな団体を作れるのだろうか……。どれもユニークで、ツッコミどころ満載。ちなみに、心音パクチーは、日本手酌協会会長(自称)だそう。(それも入りたい!)

また、佐谷さんは、パクと89に異様にこだわる自身の人生についても語った。

・パクチーハウス東京を運営する会社(株式会社旅と平和)は、8月9日に設立。
・パクチーハウス東京のパスタのグラム数は89g。
・パクチーハウス東京が先月でオープンから89ヶ月。
・南アフリカの世界で一番古い89kmを走るマラソンの89回目を8時間90分で完走。
・389(さばく)からサハラマラソンにチャレンジ。(1週間かけて250km走る!)
※ちなみに今回のイベントのチケット代、前売り券は1,589円(行こうパク)。

そして8時9分。この日2度目カンパクの時間だ。


◎スペシャルパクチー料理をご紹介

この日のパクチー限定のパクチースペシャルメニューを紹介しよう。メニューは全て「パクチーハウス東京」の“パク”リである。



「519ほおばるサラダ」この日は5月19日だから、519(ゴイク)(※ベトナム語で、生春巻きをゴイクォンと呼ぶ)。チリソースをつけてかぶりつくと、歯ごたえのあるシャキシャキしたパクチーが口の中を満たす。生春巻きの皮の中身は見た目よりパクチー濃度が高く、ほぼ全部パクチーだ。甘辛いソースとパクチーのハーモニーをビールで流しこむ。 
そして、ビールはもちろんパクチー(コリアンダー)入りのヒューガルデン。これこそパク充。幸せ……。

さらに阿佐ヶ谷ロフトの通常メニューにも、全てパクチーが盛られている。コーンチップサルサソースにもパクチー、ハムカツにもパクチー。

飲み物にもパクチー。スペシャルメニュー「パクチーもヒートアップ」と、パクチーハイボール。ほんのりパクチーの香がして、飲み終わった後はパクチーが食べられる。

この日は無農薬有機栽培の新鮮パクチーを、農家から3kg仕入れていたそうだ。追パクしてもパクチーがなくなることはない!(※追パクとは、「追(つい)パクください」と大きい声で頼むと無料でパクチーだけをおかわりすることができる、パクチーハウス東京のシステム。声が大きいほどパクチーの量が増す)。


◎パクチーを自分で栽培してこそ、真のパクチー好き。

パクチー好きの心音さんは、昨年ベランダでパクチーを栽培していたという。パクチーを栽培する人しか堪能できない、パクチーの知られざる美味しさを佐谷さんが教えてくれた。

パクチーを植えると、花が咲いて種ができる。種が乾燥するとコリアンダーシードになるが、乾燥する前のまだ緑の状態が非常に美味しいそうだ。しかし、すぐ乾燥してしまうので、市場にはでまわっていないそう。これを食べられるのは、栽培した人の特権だ。ちなみに心音さんは、花になる前に全部食べてしまったと残念そうだった。

また、とっておきのパクチー活用法も伝授していただいた。種がとれる頃パクチーは固くなる。それを小さく切ると、燻製のチップとして使えるそうだ。これぞ“パ燻製”。パクチー香のついたラム肉の燻製……。想像するだけでお腹が空く。さらに、テキーラにパクチーの根っこを漬け込んだ“パクテキ”。テキーラにパクチーの香りが移って美味しいらしい。パクチーは余すところなく全部食べられる万能食材なのだ。


◎それでもパクチーが苦手な人へ。パクチーはどうしたら好きになる?

ところで、この日ご来パクのお客様は珍しく全員がパクチー好きだった。「追パクくださーーい!」の声が店内に響く。

フリー素材モデルの大川パクチーだけが、「パクチー」という発音は気に入っているものの、どうもパクチーが苦手のよう。

大川さん「草系の食べ物があまり得意じゃないんです……」
前川さん「パクチー嫌いな人に好きになってもらうにはどうしたらいいですか?」
佐谷さん「いろんな食べ方を知ってもらうことです」

その中でもおススメはパクチーの天ぷらだそう。パクチー特有の強い香りがなくなって、甘みが出てくるそうだ。また、ラム肉とパクチーを組み合わせた「ヤンパク」という料理も良いそう。ラム肉とパクチー。どちらもくせがあるが、どちらの食材も苦手という人でも、2つを組み合わせると美味しく食べられたという。

佐谷さん「料理は科学だし、組み合わせですね」



しかし、佐谷さんの子どもはパクチー嫌いだそうだ。一同「えー!(笑)」と驚き。でも、大丈夫。嫌いはいつか好きになる。一番残念なのは無関心な事、と佐谷さんは語った。


◎「パクチーの歌」で思わず涙……。

佐谷さんは、海外のゲストハウスのような場所を目指して、パクチーハウス東京を作ったそうだ。知らない人同士が気軽にコミュニケーションをとれる空間が、日本には少ないという。お互いのバックグラウンドを知らなくてもパクチー好きか嫌いかだけで、会話が生まれる。世界中を旅してきた佐谷さんならではの発想だ。

そして、旅をして楽しかったアイデアを社会に還元したいという思いから、パクチーハウスのほかにも様々な活動をしている。シャルソン(ソーシャルマラソン)もその一つ。参加者が同じTシャツを着て自由に街を走り、決められた時間内にゴールに着けば良いというルール。同じTシャツを着て走っている人がいるだけで、声をかけたくなるし会話も生まれる。フランスボルドー地区のメドックマラソンをヒントに佐谷さんが考案して、今では全国60カ所以上で開催されているという。

さらに佐谷さんは、パクチーの歌を作ってご自身で歌っている。この日はなんと歌も披露していただいた!

パクチーがすきなら〜♪ みんな〜ともだちさ〜♪
パクチーがきらいでも〜♪ みんな〜ともだちさ〜♪
パクチー いらないなら ちょうだい〜

うたのおにいさんのような佐谷さんの歌声を聞いているうちに、思わずウルっとしてしまった。酔っ払っているのだろうか。パパパパパクチー♪が頭から離れない。

「パクチーサイコー!!!!」本日、8回目のカンパクでイベントは終了。

……と思いきや、最後に佐谷さんから一言「みなさん、お時間あったらこのあと一緒に飲みましょう〜!!」。そして阿佐ヶ谷の街には、まだまだ「カンパク」が響くのであった。

※この記事は、情報サイト「イベニア」編集部(文・写真 橋村望)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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