オリコンの小池恒右社長、音楽配信ビジネスの展望を語る。

2005/08/16 21:34 Written by コ○助

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アップル・コンピュータの「iTunes Music Store」がスタートして以来、世間の音楽配信サービスに対する注目度は俄然アップしているなりが、「iTunes Music Store」上陸前から音楽配信サービスに乗り出していた国内事業者も負けじとサービス強化策を打ち出すなど、業界全体が活性化されている印象を受けるなりよね。国内事業者がようやく重い腰を上げて、ユーザーにとって使いやすいサービスを提供していこうという考えにシフトしてきたのは歓迎すべきこと。「iTunes Music Store」の成否はともかく、競合サービスに大きな刺激を与えただけでも、素晴らしい「黒船」効果だと言えるなり。

そんな「iTunes Music Store」に刺激を受けている国内事業者のひとつにオリコンがあるなり。長年、音楽ビジネスに携わってきたオリコンのノウハウを活かし、ランキングに連動した音楽配信サービスを提供するなど、ほかの事業者とは違うアプローチのサービスを展開しているなりが、「黒船」の襲来はどのような影響を与えるのか、オリコンは今後どのような展開を見せるのか、などについて小池社長が語ったインタビューが日経パソコンに掲載されているなりよ。

「音楽配信なら、CDショップの棚に置けなかったような幅広いラインナップが実現できる。どのお店も、棚におけるのはだいたい100アーティストなんですよね。この数が200とか300になれば、そのなかに必ず聞きたいものが出てきます」
「音楽配信が広まったとしても、CDの売り上げは減らないと思います。ディストリビューションは絶対多様なほうがいい。セルとレンタルも、うまく共存していた90年代前半があったんです。ずっとCDの売り上げが伸びた時代がありました」
「CCCDは導入の仕方がまずかった。十分な社会的な根回しがないままにやっちゃって。すぐ、いろんなアーティストが『CCCDは音質が悪い』とかコメントして。すごく音質が悪いイメージもついてしまいました」
「音楽配信が、レンタルや中古を駆逐すると仮定すれば、最低でも1000億円のマーケットは形成できるでしょう。ただし、まずは価格がレンタルのレベルに近づく必要があります。1曲100円くらいが1つの目安になりますね。本格的に普及するには、80円くらいまで下がらないとダメじゃないかな」

なかなか読み応えのあるロングインタビューなりが、具体的に「iTunes Music Store」への言及は無いものの、音楽配信サービス全体が盛り上がることは歓迎の様子。その理由は「レンタルや中古販売を駆逐するため」としているなりね。オリコンがそう考えるのは、レコード会社やアーティストに対して、レンタルや中古販売からの還流が少ないことを問題視しているためで、レコード会社がしっかりと利益を上げられる音楽配信サービスを活性化させていきたいようなりよ。

現在の主流は1曲150〜200円程度なりが、これは「iTunes Music Store」の上陸によって各社が一斉に足並みを揃えた結果、大きく引き下げられたもの。今後、競争が激化し、小池社長が指摘するように1曲80〜100円程度で購入できるようになったら、さらなるブレイクスルーを迎えることになるかもしれないなりね。音楽配信サービスはユーザーにとっても利便性の高いサービスになることは分かっているだけに、各事業者とも、良いサービスを提供していけるよう頑張って欲しいものなり。

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