大・社ドラフトで大場投手に6球団、日本ハムは多田野投手指名。

2007/11/19 19:24 Written by コジマ

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10月3日に開かれた高校生ドラフトで、4球団から指名された大阪桐蔭高の中田翔外野手を日本ハム、同じく4球団から指名された仙台育英高の佐藤由規投手をヤクルト、2球団から指名された成田高校の唐川侑己投手をロッテが、それぞれ交渉権を獲得した。現在は3選手とも指名球団と仮契約し、特に中田、佐藤両選手は契約金1億円、出来高5000万円、年俸1500万円(推定)の“満額条件”。これは、高卒新人として西武の松坂大輔投手(現ボストン・レッドソックス)、ダイエーの寺原隼人投手(現横浜)、日本ハムのダルビッシュ有投手、楽天の田中将大投手に続く史上5、6人目だというから、いかに球団が期待しているかが分かるのだ。

高校生ドラフト「ビッグ3」の行方がほぼ決定したところで、続く大学生・社会人ドラフトが11月19日に開催され、こちらも「ビッグ3」が注目された。その中でも、ドラフト直前の明治神宮野球大会での3連投優勝でさらに評価を高めた東洋大の大場翔太投手は、オリックス、横浜、ソフトバンク、阪神、日本ハム、巨人の6球団が競合。ソフトバンクの王貞治監督が見事に引き当てた。ソフトバンクは、ドラフトが高校生と大学生・社会人に分かれた2005年に福岡第一高の陽仲壽(ヤン・チョンソ)内野手(現日本ハム)、昨年は八重山商工高の大嶺祐太(現ロッテ)、そして今年の高校生ドラフトで中田翔外野手と、ダイエー時代の強運を失ったかに見えたのだけど、希望入団枠(逆指名)制度が撤廃された今年の大・社ドラフトで復活したのだ。

一方、北京五輪アジア予選の日本代表最終候補にアマチュア選手で唯一選ばれている愛知工大の長谷部康平投手にも西武、広島、楽天、ロッテ、中日の5球団の指名が集中。楽天が交渉権を獲得し、こちらも高校生ドラフトでの無念を晴らしている。くじを引いた島田亨球団社長は昨年の高校生ドラフトで田中投手を引き当てていることから、野村克也監督も「島田社長の黄金の左腕は健在なり。強い。いつも感心するくらい強いな」(日刊スポーツより)と、その強運を絶賛したのだ。

この2選手に11球団が集中したため、東京六大学リーグ通算30勝の慶応大・加藤幹典投手はヤクルトの単独指名となり、そのまま交渉権を獲得した。大場、長谷部両選手を外した球団は、加藤選手を指名すればよかった後悔しているのではないだろうか。

その1巡目指名選手を引き当てられなかった9球団で、注目されたのが日本ハム。続いて指名したトヨタ自動車の服部泰卓投手がロッテに奪われた後、先日指名の断念を報じられた元3Aサクラメント・リバーキャッツ(オークランド・アスレチックス傘下)の多田野数人投手を強行指名した。米球界でのプレーを希望しているとはいえ、来季の行方が定まっていない多田野選手、5年ごしの日本球界入りとなるか興味深いのだ。

大場選手を外した阪神は、最速148キロの本格派右腕、福岡大の白仁田寛和投手の交渉権を獲得。同じく大場選手を外した巨人は上原浩治投手の後輩である大阪体育大の村田透投手、横浜はJR東日本の小林太志投手、オリックスは日本大の篠田純平投手を外した後に青山学院大の小林賢司投手の交渉権を獲得している。また、長谷部選手を外した中日は同じく地元・名城大の山内壮馬投手、広島が日本大の篠田選手をオリックスから、ロッテがトヨタ自動車の服部選手を日本ハムと西武からそれぞれ勝ち取り、西武はJR東日本東北の平野将利投手。各球団とも、1巡目はすべて投手を指名したのだ。

このほかの注目選手では、明治大の古川祐樹投手は巨人、青山学院大の小窪哲也内野手は広島、横浜商大の根本朋久投手はロッテ、関西学院大の宮西尚生投手は日本ハム、奈良産大の桑原謙太朗投手は横浜、近畿大の小瀬浩之はオリックスが、それぞれ3巡目で指名している。しかし、東京六大学野球で戦後12人目の三冠王に輝きながら、評価がイマイチだった早稲田大の田中幸長外野手はどの球団からも指名されなかったのだ。岡田彰布監督、鳥谷敬内野手に続いての「早大三冠王」なだけに阪神が指名すると思ったのだけど……。

高校生も含めて、今回のドラフトで指名された選手たちがプロ野球でどんな活躍をするのか興味が尽きない。特に、阪神に入団する可能性のある白仁田選手には、大場、長谷部、加藤の3選手を上回る投手になってもらいたいのだ。

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