中国の“残酷サファリパーク”に世界から非難集中、動物園側は反論。

2007/05/25 23:56 Written by コジマ

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“パクリーランド”として話題になった石景山遊楽園のほか、ニセシマウマが登場する動物園、一言SNS「twitter」のパクリサイトなどなど、連日中国の“影”の部分が大きく報道されている。これらは、著作権侵害のおそれがあるほか、外から見ているものにとって理解しがたい部分があるのだ。

こうした中、またもや「理解しがたい」ことで中国が取り上げられている。今回は、著作権の問題ではなく倫理の話。中国南部にある動物園「ハルビン東北虎林園」での凄惨な光景が、世界中から非難を浴びているのだ。

フジテレビ系のFNN HEADLINESなどで放送されたためご存じの人も多いと思うけど、サファリパーク形式のこの動物園、見物客の乗るバスがトラの近くに来ると、生きたままの牛がトラックからトラの群れの中に放たれるのだ。突然現れた“エサ”にトラたちは先を争うように飛びかかり、その様子を見た客は歓声を上げている。放たれた牛は状況を理解できないようにキョトンとしたあと、半ばあきらめながら逃げている。外が見えないトラックの荷台に入れられて、外に出されたらトラの群れのど真ん中……自分がこの状況に置かれたことを考えて、震えてしまったのだ。

この“エサ”は200ドルで売られているそうで、牛のほかに生きたままの鳥をバスの中から外に放つことも行われている。こうした光景を海外メディアが撮影し世界中で放送されたため、動物愛護団体をはじめ世界中から非難の声が上がっているのだ。FNNによると、動物愛護団体側は「あまりに残酷で悲惨」とコメントしている。

同園では、ほかにもクマにクルマを引っ張らせたり、火の付いた棒を回すなど、サーカスさながらのショーも行われているのだ。

こうした報道を受け、J-CASTニュースがこの動物園に突撃。生きた動物をトラに与えている理由を聞くと、同園の担当者は「動物ショーが目的の施設ではありません。希少種であるトラの遺伝子を守るために保護し、自然に戻すための訓練を行うのが目的です。生きている動物をエサとして与えているのは訓練の一環で、死んだ動物を与えても訓練にはなりません」とコメントしている。残酷だという苦情が来ていないのかを聞くと、「そのような質問にはお答えできません」と、回答を拒否しているのだ。

動物愛護団体の行き過ぎた抗議にうんざりすることもあるのだけど、今回ばかりは納得してしまう。動物園やサファリパーク、さらにサーカスについてはさまざまな意見があるけど、これはそうした議論以前の問題のような気がするのだ。たとえ担当者の言うとおり「自然に戻すための訓練」だとしても、わざわざ客に見せる必要はないと思うのだけど……。

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