話題の石景山遊楽園、日本からの取材殺到で担当者は困惑。

2007/05/04 12:49 Written by コジマ

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ゴールデンウィーク真っ只中。4月28日にリニューアルされた人気アトラクション「スペースマウンテン」を目当てに、東京ディズニーランドを訪れる人も多いのではないだろうか。そんな中、中国・北京にあるテーマパーク、石景山遊楽園(Shinjingshan Youleyuan)が話題になっている。

1986年に開業の同園は、33.89万平方メートルという広大な敷地に約70のアトラクションを備える中国でも最大級の遊園地。北京市内にあることから、年間150万人以上もの人が訪れている。00年に中国国家観光局からAAAAクラスの観光スポットに認定。この年から連続して北京市精神文明模範組織に選ばれており、02、05年には品質国際基準のISO9001、環境国際基準のISO14000をそれぞれ取得している。まさに中国を代表するようなテーマパークなのだ。

その遊園地がなぜ話題になっているのかというと、アトラクションからキャラクターまですべてディズニーのコピーであることが一目瞭然のため。ミッキーマウスにミニーマウス、ドナルドダック、白雪姫、七人の小人など、ディズニーを劣化コピーしたような着ぐるみが登場するようすはテレビのニュースでも報じられたとおり。しかも、この遊園地が国営だというから驚きなのだ。

公式サイトでは、「ディズニーは遠すぎる。石景山遊楽園にいらっしゃい」をキャッチフレーズに、「ディズニーの雰囲気を備えたジョーンズの冒険」「欧州調の幽霊屋敷」とアトラクションを紹介。こうした文章から、ディズニーのコピーであることを間接的に認めていることが読み取れるのだ。それだけでなく、ドラえもんやハローキティなど、日本のキャラクターのコピーも多数見かけることができ、「コピー大国」である中国を象徴するような遊園地でもある。

このスキャンダラスな遊園地に、日本のマスコミの取材が殺到。レコードチャイナによると、広報担当者は困惑しているそうなのだ。担当者いわく、「遊園地側はあらぬ疑いをかけられて、大変に迷惑している」。さらに「石景山遊楽園にはディズニーを模倣したキャラクターなどはいない」と断言している。キャラクターについては、「グリム童話を題材にしたオリジナルキャラクター」としているのだ。

米国では、「なぜそんなに問題になるのか分からない。ディズニー以外にこのようなキャラクターを使ってはいけないなんて、誰が決めたのか」という利用者の声も報じられている。うーむ、知的財産に対する意識が低い中国ならではなのだ。

ところが、日本にも奈良ドリームランドという同じような遊園地が存在していた。昨年8月に閉園したこの遊園地のようすは、「これが奈良ドリームランドだ!」というサイトに詳しく掲載されている。キャラクターこそいないけれど建物やアトラクションはそっくりで、ディズニー側は不快感を示し、日本へのディズニーランド誘致の妨げとなったようなのだ。

さて、石景山遊楽園に話を戻すと、公式サイトではすでにキャラクターの画像が削除されている。やはりヤバイと思ったのだろうか。北京五輪を控えた中国、こうした知的財産権への対策もしっかり講じないと、先進国の仲間入りするのは厳しいようなのだ。

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