カフカ賞・オコナー賞受賞の村上春樹、18番目のノーベル賞「候補」に。

2006/09/27 23:55 Written by コジマ

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今年3月にチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞したときにもお伝えしたのだけど、村上春樹のノーベル文学賞受賞の可能性が出てきているのだ。カフカ賞の過去2年の受賞者がノーベル文学賞を受賞していることからこの噂が流れ始めたのだけど、9月24日にアイルランドの国際的文学賞「フランク・オコナー国際短編賞」も受賞することになり(受賞作は「ブラインドウィロー、スリーピングウーマン」)、さらに現実味が増してきたのだ。

今回受賞したオコナー賞は、アイルランドの短編作家フランク・オコナーにちなんで昨年に創設されたもの。英語で出版された短編集を対象に選考されるのだ。今回は、他の候補6作品を退けての受賞。選考委員会は「常に誤解に直面している人間の困難な状況を恐れずに描いている。散文小説の名匠による真に素晴らしい作品集」と絶賛しているのだ。

こうしたことを受けて、世界最大のブックメーカーである英ラドブロークスのストックホルム事務所が、ノーベル文学賞受賞者の予想を発表したところ、村上春樹は18番目に登場し、オッズは34倍となったのだ。

“1番人気”となったのは、「ノーベル文学賞に最も近いトルコ人作家」「現代トルコ文学の最高峰」といわれているオルハン・パムク。邦訳されることの数少ないトルコ文学のなかで、「わたしの名は紅(あか)」「雪」と2作品も日本で出版されているのだ。また、オスマン帝国時代のアルメニア人虐殺に言及した作品を執筆して国家侮辱罪に問われるなど、熱い魂を持った作家でもあるのだ。うーん、村上春樹とは対照的だなあ。オッズは4倍とのこと。

このほか、レバノン在住のシリア人詩人、アドニスことアリ・アフメド・サイードやポーランドのジャーナリスト、リシャルド・カプシチンスキ、米女流作家ジョイス・キャロル・オーツなどの名が挙がっている。

海外のメディアでも、本命パムク、対抗アドニスとなっているようで、この2人の候補に村上春樹がどこまで食い込むのかが見ものなのだ。海外にも多くのファンを抱える村上春樹(29日に「筑紫哲也 NEWS23」に出演するトム・ヨークも村上作品のファンだという)、ぼくは特に好きではないけれど、日本代表者としてノーベル文学賞の栄誉に浴して欲しいと願うのだ。

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