よくできた番組でも視聴率が取れなければ打ちきられてしまうテレビ業界、最近は「視聴率偏重主義」が横行し、こうした動きに拍車がかかっているのだけれど、一方で20年、30年と続いている長寿番組も存在する。ネットリサーチのディムスドライブは、「（現在放送されていて）10年後も続いて欲しいと思うテレビ番組」についての調査を行い、その結果、放送25年目に突入したフジテレビ系の「笑っていいとも！」が1位に選ばれたのだ。

調査は、7月6〜11日に、全国の男女5133人を対象に行われた。総合で1位に選ばれた「笑っていいとも！」は男性全体、女性全体でもそれぞれ1位を獲得、年齢層別でも20代、30代で1位になっている。2002年に放送5000回を達成し、翌年のギネスブックに単独司会者による生放送番組の長寿記録として認定されているのだけれど（今年3月には6000回を達成）、司会者のタモリが還暦を迎えたこともあり、打ち切りの噂もちらほら。しかし、この結果は、番組続行の追い風になりそうなのだ。

続いて、2位に選ばれたのが同じくフジテレビ系の「サザエさん」。こちらは今年で37年という歴史を誇っている。毒がなく家族で見られるアニメということで、30代、40代からの支持を得ている。これから続いていくのに問題となるのが、声優がいつまで続けられるかということ。マスオさんやカツオくん、ワカメちゃんの声優はこれまで何度か交代があったけど（カツオくんの初代声優はドラえもんの声で有名な大山のぶ代）、特徴のあるサザエさんの声が変わるのにはみんな抵抗があるのではないだろうか。サザエさん役の加藤みどりは現在66歳。いつ降板してもおかしくないのだ。また、放送開始から交代していない波平役の永井一郎（75歳）、フネ役の麻生美代子（80歳）、タラちゃん役の貴家堂子（65歳）も高齢となってきているので、ドラえもんのような「総取り替え」が近いうちに行われるかもしれない。しかし、これほど「日曜の夜」を認識させられるアニメもないのだ。

このほか、3位には41年の歴史を誇る「笑点」（日本テレビ系）、4位には比較的新しい「恋愛観察バラエティー　あいのり」（フジテレビ系）、5位は31年目に突入した「徹子の部屋」（TBS系）が選ばれている。それにしても、フジテレビは強いなあ。

「（現在放送されていて）10年後も続いていて欲しいと思うテレビ番組」
1位　笑っていいとも！（フジテレビ系）
2位　サザエさん（フジテレビ系）
3位　笑点（日本テレビ系）
4位　恋愛観察バラエティー　あいのり（フジテレビ系）
5位　徹子の部屋（テレビ朝日系）
6位　世界ふしぎ発見!（TBS系）
7位　ビートたけしのTVタックル（テレビ朝日系）
8位　渡る世間は鬼ばかり（TBS系）
9位　世界遺産（TBS系）
9位　オーラの泉（テレビ朝日系）

ベスト10には入らなかったものの、男女別で上位に挙げられている番組を見てみると、男性で5位が「ワールドビジネスサテライト」（テレビ東京）、6位が「水戸黄門」（TBS系）と大河ドラマシリーズ（NHK）、9位が「その時歴史が動いた」（NHK）、10位が「報道ステーション」（テレビ朝日系）で、女性で5位が「SMAP×SMAP」（フジテレビ系）、8位が「ミュージックステーション」（テレビ朝日系）、9位が「世界ウルルン滞在記」（TBS系）となっていた。年齢層別だともっと違いが出ており、それを考えると年齢・性別を問わずに愛されている「笑っていいとも！」の偉大さを感じてしまうのだ。