駐車違反取り締まり新制度、賛成派は半数以上。

2006/06/22 21:58 Written by コジマ

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今月1日から導入された駐車違反取り締まりの新制度。Narinari.comでも導入初日の反応をお伝えしたのだけれど、その後も民間の駐車監視員への暴行による逮捕者が少数出たものの、おおむね順調のようなのだ。導入から1カ月が経とうとしている22日、5000人以上を対象に行われた「道路交通法改正に関するアンケート」の結果が発表され、今回の改正に賛成している人が55.1%と半数以上を占めていることが明らかになったのだ。しかし、反対派も21.3%と少なくなく、運送業者などへの配慮不足や駐車場の少なさを指摘する声が目立ったのだ。

調査は、調査会社のインターワイヤードが運営するネット調査サービス「DIMSDRIVE」によって、今月8〜13日に5567人(男性2925人、女性2642人、平均年齢42.1歳)を対象に行われた。それによると、新制度導入の認知度は、「駐車違反取り締まりの一部民間委託制度」が90.7%にものぼり、「この中にはない/知っている制度は無い」と答えた人は3.6%だけと、国民の高い関心を裏付ける結果となったのだ。

続いて、新制度への賛否について尋ねたところ、「賛成」が20.1、「どちらかといえば賛成」が35.0%と賛成派が55.1%を占め、「どちらかといえば反対」と「反対」を合わせた21.3%を大きく上回る結果となったのだ。賛成の理由としては、「違法駐車があまりに多いから」「違法駐車が減少するから」という違法駐車の抑制を期待している人が39.5%で、続いて「交通渋滞が解消されるから」(14.8%)を挙げる人が多かった。

一方、反対の理由として最も多かったのが、「運送業者など業務上の駐車に配慮がないから」(19.0%)で、そのあとは「駐車場の絶対数が少ないから」(13.6%)、「短時間での取り締まりには抵抗があるから」(8.2%)と続いた。このうち、運送業者への配慮は賛成派でも8.0%の人が求めており、賛成・反対派の意見を合わせて全体の1割に達していたのだ。

駐車場の少なさに対しては、自動車もそうだけど、一番困っているのはバイク便などオートバイ関連の業者。「オートバイお断り」の時間貸し駐車場が多く、取引業者の土地を利用させてもらうよう頼んでも、「1社だけ特別扱いするわけにはいかない」と断られてしまうそうなのだ。こうした駐車場の不備に対する行政への指摘は、警察側からもされている。郵政公社への特例適用を批判する声も、賛成派(1.4%)・反対派(7.6%)問わずに挙げられていたのだ。

新制度導入後の変化について聞いたところ、46.2%が「特に変化はない」と答えており、DIMSDRIVEは「もともと駐車違反をしていない善良な利用者にとっては、制度が変わっても支障はないので当然の反応とみてよいでしょう」としている。しかし、これは一般市民へのアンケートなので当たり前なのだ。新制度導入で右往左往している運送関連業者は「善良な利用者」ではないのだろうか。

しかし、「車を離れたら即摘発」というこの制度にも、一般の利用者はほとんど動揺しておらず、むしろ歓迎していることが示されたのだ。実際に渋滞が解消されるなどの効果が出ているので、利用する際の不安感よりメリットのほうが大きいのは確か。あとは、どうやって業者への配慮や駐車場不足を解消するかが問題となってくるのだ。でも、政府による解決策は、現時点でほとんど示されていないんだよなあ。

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