ユタ州で論議となった「ゲイ支持」のナンバー・プレートとは。

2005/08/01 01:00 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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narinari.comでウォール真木がよく取り上げているネタに、アメリカのナンバー・プレートの話題があります。毎日ほとんど欠かさず車で出かけている自分。買い物、子供たちの送り迎え、その他諸々……、正直車がなけりゃ生活していけません。そして運転中や駐車場にて思わず目が行ってしまうのが、日本と違い色々なデザインのあるナンバー・プレートなのです。

しかもアメリカでは、追加料金を支払えばナンバー・プレートに使う英数字をカスタマイズ出来るようになっています。各州で制限はあるものの、例えばミズーリ州ではたった15ドルで、最大6文字までの数字とアルファベット大文字を組み合わせたナンバー・プレートが作成出来ます

しかもこのデザイン・プレート、実にオリジナリティーに富んでいます。例えば長女の空手の先生のプレートは "BLK BLT"(ブラック・ベルト −黒帯−)。野球好きな日本人の友人のは "YA 9"(野球)。この外にも、少ない文字数で独自のメッセージを込めたプレートを沢山見かけます。

さてユタ州でも、とある女性がオリジナルのナンバー・プレートを作成してこれが話題になったというニュースです。"GAYSROK" と書かれたこのプレート、"Gays Are OK"(ゲイはイケてる)と読めます。もちろん当の女性エリザベス・ソロモンさんは同性愛者であり、数人の友人と一緒に「ゲイ支持」のための数種類のプレートを作成したのだとか。

ところが、これに対して眉をひそめた人が。ユタ州はアメリカでもとても保守的な地域として有名で、同性愛に対する偏見が強いところだと聞きます。なのでこのゲイ支持プレートも、多くの人が「気分を害するもの」として受け取られたらしいのです。そのため最終的にはユタ州政府までもがこの問題に首を突っ込み、ソロモンさんらを相手取って裁判所に差し止めを要求するという事態に発展しました。

しかし「言論の自由」はアメリカの憲法が約束する大切な権利。たとえ政府だろうが、ユタ州自治体にこのプレートを取り上げる権利は無いと、裁判所は一審でソロモンさん側に使用を認めました。まあ、ウォール真木からみてもそれが妥当な結果だと思います。

しかしユタ州側は今後も差し止めを求める姿勢を崩さず、上告する予定だとか。まだまだ論議は続きそうな気配ですねぇ。これからどんな動きが出てくるのか、ちょっと注目したい話題です。

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