ファンとの交流を図るために、いまや芸能人にとって欠かすことのできないツールとなったブログ。多くの場合、芸能人のブログは「プライベート写真＋本人のコメント」というスタイルで構成され、テレビや雑誌では見られない一面を垣間見ることができるが、中には一般的に抱かれるイメージとは大きく異なる世界観のブログを更新している芸能人もいる。

元宝塚の月組トップスターで、現在は女優として活躍する涼風真世もその一人。涼風真世のブログは2005年10月の開設と、比較的古い時期から更新されているブログなのだが、現在に至るまでの3年間、ほぼ毎回エントリーに添えられている写真がかなりシュールだと話題を呼んでいる。

その写真は「空」。もともと空が好きだという涼風真世は、青空だけでなく、曇天でも、荒天でも空の写真を撮り続け、その日の空の様子をブログで更新し続けている。面白いのはその構図。建物や人物を一切含まず、ただ本当に空だけをパチリと撮った写真が延々と更新されているのだ。

ただ、それだけならシュール……というほどのことではないかもしれない。空の写真と、その日の出来事や思ったことなどをつづったコメントの組み合わせは「ちょっと変わってる」程度のものだったのだが、今年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震をきっかけに、ブログにも異変が起きた。

宮城県石巻市出身の涼風真世は、地元で起きた大地震に心を痛めたようで、6月16日付けのエントリーで次のように宣言。以降、コメント欄は閉じられ、ひたすら空の写真が並ぶブログへと変貌した。

「…大自然の恐ろしさを痛感しています…。
毎日、何気なく見上げている空の下で
大変なおもいをしていらっしゃる方々が沢山いらっしゃいます…。
そして…
…私自身、
…このブログを続けている“意義”を考えている状態です…。
考えた末…
…明日からは『空写真』のみを更新致します…。
今までコメントを下さいました皆様、本当に本当に
…有難うございました。」

ブログ自体は毎日更新されているのだが、並んでいるエントリーは空、空、空……。それぞれのエントリーには「蝉の鳴き声♪♪暑い！！」「秋ですねぇ〜♪♪♪」「♪♪『エリザベート』帝劇公演初日です♪♪」「寒いですね〜♪」などのタイトルが付けられているものの、コメントは一切なく、純然たる空の写真だけの更新が続いている状態だ。

空模様とタイトルから涼風真世の意図するところを完全に汲み取るのは難しいが、このシンプルさが逆に独特の世界観を生んでいるのは事実。素人目には同じように見える空の写真が続くブログに、涼風真世はどのような“意義”を見つけ、どのような心情を込めているのだろうか。