ジョニー・デップが初の栄冠、第65回ゴールデングローブ賞結果発表。

2008/01/15 17:12 Written by コジマ

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1944年に始まり、米映画賞の中ではアカデミー賞に次ぐ権威を持ついわれるゴールデングローブ賞。アカデミー賞前哨戦としても注目度が高く、全米で放送される授賞式は毎年高視聴率を記録している。しかし既報のとおり、米脚本家組合のストライキによって65回目となる今年の授賞式は中止。レッドカーペットもスターの出席もなく、記者会見形式で受賞作品・受賞者が淡々と発表されたのだ。

ゴールデングローブ賞の結果の前に、今年度のおもなアカデミー賞前哨戦の作品賞を振り返ってみると、米映画批評家会議賞(ナショナル・ボード・オブ・レビュー; NBR)、ニューヨーク映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞ではジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の「ノーカントリー」が受賞。ロサンゼルス映画批評家協会賞ではポール・トーマス・アンダーソン監督の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、ニューヨークオンライン映画批評家協会賞では同作品とジュリアン・シュナーベル監督の「潜水服は蝶の夢を見る」が受賞しているけど、賞の大きさから「ノーカントリー」がオスカー獲得最右翼とされているのだ。

昨年末に発表されたゴールデングローブ賞作品賞候補は、ドラマ部門が「ノーカントリー」や「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のほか、「アメリカン・ギャングスター」、「つぐない」、「イースタン・プロミセズ」、「The Great Debaters」、「マイケル・クレイトン」の7作品。ミュージカル/コメディ部門は「アクロス・ザ・ユニバース」、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」、「ヘアスプレー」、「JUNO/ジュノー」、「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」が候補となっていた。最多ノミネートは、キーラ・ナイトレイ主演作品「つぐない」の7部門だった。

この中で、ドラマ部門の作品賞は「つぐない」が受賞。これまでの前哨戦をことごとく逃していた同作品だけど、オスカーレースでようやっと一歩前進したのだ。しかし、他部門の受賞は作曲賞(ダリオ・マリアネッリ)のみで、1月27日に授賞式が行われる全米映画俳優組合賞のノミネートもゼロとなっている。

ミュージカル/コメディ部門は、「つぐない」同様これまでの前哨戦で名前が挙がらなかったジョニー・デップとティム・バートン監督のコンビによる「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」が選出された。また、監督賞は「潜水服は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル監督、脚本賞は「ノーカントリー」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督が受賞。フランスと米国の合作である「潜水服は蝶の夢を見る」は、外国語映画賞も手にした。

一方、演技部門では、ドラマ部門の主演女優賞を「アウェイ・フロム・ハー」のジュリー・クリスティが受賞。NBRやブロードキャスト映画批評家協会賞に続くもので、ほぼオスカーを手中にしたと言える(全米映画俳優組合賞にもノミネート)。同部門の主演男優賞はNBRを受賞しているジョージ・クルーニー(「フィクサー」)を抑えて、前哨戦4冠のダニエル・デイ=ルイス(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)が獲得した。両者がノミネートされている全米映画俳優組合賞の結果が気になるところなのだ。

さらに、ミュージカル/コメディ部門の主演男優賞は、「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」のジョニー・デップが受賞した。ゴールデングローブ賞ではこれまで何回もノミネートされながらいずれも逃していたジョニー・デップだけど、8回目にしてようやっと栄冠を手にしたのだ。同部門の主演女優賞には、ロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞した「エディット・ピアフ/愛の賛歌」のマリオン・コティヤールが選ばれている。

また、テレビドラマ部門では、最優秀ドラマシリーズ賞を「MAD MEN」、ドラマ部門主演女優賞をグレン・クローズ(「Damages」)、同部門主演男優賞をジョン・ハム(「MAD MEN」)、最優秀ミュージカル/コメディシリーズを「エキストラ: スターに近づけ!」、ミュージカル/コメディ部門主演女優賞をディナ・フェイ(「30 Rock」)、同部門主演男優賞をデヴィッド・ドゥカヴニー(「Californication」)がそれぞれ受賞した。

これで、前哨戦も残すところ全米俳優組合賞のみ。2月24日のアカデミー賞授賞式も脚本家組合ストの影響で中止が噂されているけど、今回は記念すべき80回目。なんとか回避してほしい。いずれにせよ、どの作品や俳優、監督らがオスカー像を手にするのか、楽しみなのだ。


☆第65回ゴールデングローブ賞おもな結果

◇作品賞(ドラマ部門)
「つぐない」
◇主演女優賞(ドラマ部門)
ジュリー・クリスティ(「アウェイ・フロム・ハー」)
◇主演男優賞(ドラマ部門)
ダニエル・デイ=ルイス(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
◇作品賞(ミュージカル/コメディ部門)
「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」
◇主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)
マリオン・コティヤール(「エディット・ピアフ/愛の賛歌」)
◇主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)
ジョニー・デップ(「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」)
◇助演女優賞
ケイト・ブランシェット(「アイム・ノット・ゼア」)
◇助演男優賞
ハビエル・バルデム(「ノーカントリー」)
◇監督賞
ジュリアン・シュナーベル(「潜水服は蝶の夢を見る」)
◇脚本賞
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟(「ノーカントリー」)
◇外国語映画賞
「潜水服は蝶の夢を見る」(仏=米)
◇長編アニメーション映画賞
「レミーのおいしいレストラン」

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