2歳で1日40本“喫煙男児”の今、英番組が世界注目から3年後を紹介。

2013/12/02 17:51 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


2010年、インドネシアで暮らす2歳の男の子がタバコを吸っている写真や動画が公開され、世界に大きな衝撃を与えた。彼の名は、アルディ・リザルくん。有名になった彼には、インドネシア政府が特別チームを用意して治療に乗り出し、その後禁煙を成功させたという。あれから3年あまり、5歳になったリザル君の今を紹介した番組が、先頃英国で放送されたそうで、彼がどのように成長したのかと再び世界から大きな関心を集めている。

アルディくんの存在が大きな注目を集めたのは、2010年5月頃のこと。スマトラ島の漁村に住む当時2歳の彼が、慣れた手つきでタバコを吸っている様子を撮影した写真や動画がインドネシアで紹介され、その衝撃的な内容は瞬く間に多くの海外メディアからも関心を集め、広く世界に知られるところとなった。インドネシアでは、「10歳になるまでに3分の1の子どもが喫煙している」と言われるほど低年齢層の喫煙が問題となっており、彼の場合は「何が問題か分からない」と話していた父親から与えられ、1歳半からタバコを吸い始めていたという。

しかも、彼の健康状態を案じていたという母親も、取り上げようとすると癇癪を起こす息子を恐れて止められずじまいだったそう。そうこうしているうちに、悠々とタバコを吸うアルディくんの写真や動画が公開され、世界中から懸念や非難の声が上がった。また、彼の動画紹介をきっかけに国内からも子どもの喫煙禁止を求める声が高まったとされ、インドネシア政府は世界の注目を集めたアルディくんに対応する特別チームを用意。ジャカルタに呼び寄せて禁煙治療やカウンセリングを行うと同時に、両親にも「彼のタバコを止めさせるなら、家族に車を買い与える」などと説得し、協力を求めたという。

そうした大人たちの意気込みも伝わり、アルディくんは禁煙に成功。それから3年、5歳となった彼がどんな子どもに成長したのか、11月18日に英ケーブルテレビ局TLC UKが現在のアルディくんを取材した番組を放送し、大きくなった彼を紹介した。

英紙デイリー・メールやデイリー・ミラーなどによると、当時も若干ぽっちゃりしていた体型は、3年経った今もそのままといった印象。ただ、現在も定期的に専門家グループの診察を受けているおかげもあって、禁煙はしっかり続いているそうだ。

「今ではタバコを欲しがらなくなった」と話すのは、母ダイアンさん。村の住民たちの中には、未だ彼にタバコを渡そうとする「多くの人がいる」というが、その時は彼自身がサポートを続けてくれている医師が好きだからと、きっぱりタバコを断っているようだ。彼が禁煙を始めた当初は、タバコを取り上げると相変わらず癇癪を起こし、何度も医師に助けを求めていたと話す母。しかし、今では彼自身が禁煙を受け入れている上、彼女も「一緒に遊んで」彼の気を紛らわせるよう努力しているとあって、毎日順調に過ごせているという。

ただ、話題になって以来、有名になった彼が家族で経営する商店の“看板少年”になってから、ダイアンさんには新たな悩みができた。彼を一目見ようと店へ訪れた客に対し、アルディくんも気さくに相手をしているものの、多くの客が彼を相変わらず「喫煙少年」と呼び、その度に彼女は「ダメな親だと言われてる気がする」と落ち込むそうだ。

また、タバコを止めてから食事の量が明らかに増えてしまったといい、大家族で生活している家庭状況もあって「食べさせないようにするのが難しい」と母親は困っている様子。実際、現在彼の体重は標準的な体重をを5キロほど上回る24キロあるそうで、「1日3缶のコンデンスミルク」や高脂肪の食べ物を好むなど、暴食の傾向も強まっているという。

しかし食べ物を制限しようとすると、彼は以前と同じように癇癪を起こしてしまうそうで、問題がタバコから食事管理に変わった形になってしまったようだ。そのため今は、ダイアンさんが栄養士のアドバイスを受け、彼が適切な体重へ落とせるように努力をしている。そんな大人たちの心配をよそに、明るく活発そうな様子を見せたアルディくんには、今後も何事もなく元気に成長し続けて欲しいところだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.