絶品すぎる仏マックバゲット、徹底的な“フランス式”で高い完成度。

2012/04/22 14:18 Written by Narinari.com編集部

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仏マクドナルドは4月18日から、サンドイッチの新メニュー「マックバゲット」の販売を始めた。同商品はフランスパンを使用したメニューで、牛肉のパテ、エメンタールチーズとレタス、粒マスタードのソースを挟んだ仏マクドナルド渾身の一品。2011年以来、同社はフランスパンを用いたメニューの開発を行ってきたが、その目指すべき到達点の1つともいえる画期的な商品だ。

75%の原材料がフランス産、残りは欧州産といった徹底した現地化に加え、包装もフランスのパン屋で伝統的にそうであるように、紙袋に包んで提供される「マックバゲット」。どこまでも“フランス式”にこだわったサンドイッチだ。仏マクドナルドの責任者、ナファル・トラベルシ氏は「フランスは優れた食文化を持つ国であると同時に、新しいものを受け入れる国だ」と語り、この商品が同国で受け入れられることに自信を示している。

そこで、この仏マクドナルドの挑戦を受け止めようと、ナリナリドットコムのフランス特派員は、ある種の使命感をもって早速試食することにした。

午前11時に店舗へ行くと、2分ほどの待ち時間を経て、出来立ての「マックバゲット」をゲット。紙袋からは温かさが伝わってくるが、フランスのパン屋で売られているサンドイッチは通常温かくはないため、この点は大きな特長の一つと言えるだろう。

バゲットとは言うものの、サイズは一般的に街で販売されているバゲットの半分くらいの大きさだ。開いてみると粒マスタードソースのさわやかな辛味の匂いと、ほのかな小麦の香りがする。バゲットだけを少しかじってみると、塩味はそれほどなく、やわらかく口溶けの良いパンという印象だ。

パンを戻して食べようと手に持つと、サンドイッチの下部分、土台の部分がかなりしっかりしているように思える。上の部分が柔らかかっただけにちょっと意外にも感じたが、口に入れるとさらなる驚きが待っていた。

この下部分が固めな分、噛みきる際にとてもクリスプな歯応えを残し、焼き立ての小麦の香りが口の中に立ち上る。製造上の行程で偶然こうなるのか、意図的なものかわからないが、美味しさは倍増だ。

口に入れて最初にわかるのは、エメンタールチーズの“はみはみ”とした食感。塩分もコクもそれほど感じさせないが、胡椒をほんのりと感じるパテと一緒になると、味のふくらみが両方一度に広がり、それを粒のマスタードソースがうまくまとめている。

具材のひとつひとつを食べると、どちらかというと無個性な味わいだが、マリアージュ(融合)されたときの相乗効果が素晴らしい。ソースそのものも余計な塩分や味を足すものではなく、引き出そうとする控えめな味で、全体的にシンプルな構成にも関わらず全体として旨味が多い。口溶けのよいパンであることがさらに功を奏し、パンと具が一体になっていることでサンドイッチに最も必要な統一感を生み出すことに成功している。間違いなく、マクドナルドの傑作の1つだと感じさせられた。

マクドナルドはフランスに進出以来、常に現地のフランス人による厳しい批判に晒されてきた。その批判を覆そうと必死のローカライズや雇用などを行ってきたが、今ここに素晴らしい商品を開発できたことで、ようやく名実ともにフランスのパン屋へのよきライバルとなったのではないか――そう感じる商品だった。今回の「マックバゲット」は6週間の限定商品だが、同社は「すぐに帰ってくる」ことも示唆している。

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