宝くじ当てた奇術師に猛批判、テレビで“種明かし”も釈然としない説明。

2009/09/14 11:42 Written by Narinari.com編集部

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9月9日の夜、英放送局チャンネル4の生番組で披露され、視聴者の度肝を抜いた、奇術師のダレン・ブラウン氏による「宝くじの当選番号を当てる」パフォーマンス。放送翌日には英メディアが驚きをもってこのパフォーマンスを伝えたほか、ネットでもすぐに考察が始まるなど、英国内の話題をさらう出来事となった。同番組の最後では、ブラウン氏が「9月11日の夜、どのように予想したのかをテレビで明かす」と予告していたが、その番組での“種明かし”が行われた結果、英メディアや専門家、ネットユーザーから猛批判を浴びる事態となっている。

誰もが気になる「宝くじの当選番号を当てる」パフォーマンスの“種明かし”。ネットでは当初から、「画面分割説(ボールが置かれた側とテレビが置かれた側の画面が異なるカメラで撮られ、結合している)」や「電子インク説(ボールに電子インクが仕込まれ、抽選番組で当選番号が出た直後に番号を操作している)」といったトリックが有力とする声が多く挙がっていた。「どのように予想したのか」というよりは、「どのように視聴者を騙したのか」と見る向きが強かったわけだ。

そして迎えた9月11日、ブラウン氏は予告通り、パフォーマンスの“種明かし”を行った。ブラウン氏の説明によれば、用いたのはトリックではなく、数学的な手法。まず、24人の協力者に、何も考えずに頭の中を空っぽにするようにしてもらい、その上で「自動筆記」によって、それぞれに6つの数字を書き出してもらう。そして、出てきた数字の平均値から導き出されたのが当選番号と同じ6つの数字だった、というものだ。

しかし、この釈然としない説明に失笑と猛批判が起きる。オックスフォード大学のロジャー・ヒース=ブラウン教授(純粋数学)は「もっともらしく聞こえるが、その方法は数学的には完全なゴミ」(英放送局BBCより)と一刀両断。また、ケンブリッジ大学のデイビッド・シュピーゲルハルター教授(統計学)も否定的な見解を示すなど、専門家は総じて「有り得ない」との立場のようだ。

Twitterや掲示板など、ネットユーザーからも「こんな方法ではなくて、ただのカメラトリックだろ」との声が多々。なにやらブラウン氏がカメラトリックだと認めない限り、納得しなそうなムードに包まれている。

☆ダレン・ブラウン氏の「宝くじの当選番号を当てる」パフォーマンス
9月9日に抽選が行われた英国ロトくじ「ナショナル・ロッタリー」の6つの当選番号を、生放送で当てた衝撃のパフォーマンス。放送当日に選んだ6つの数字が書かれたボールと、英放送局BBCが“裏番組”で放送していたロトくじ抽選番組を映し出すテレビが1台あるだけのスタジオで、抽選番組を見届けてから結果を照合。すると、すべての番号が一致していた。ただ、ブラウン氏はボールには一切手を触れていなかったものの、放送開始当初はボールが視聴者に見えないよう裏向きにされていたことから、その点を怪しむ声も挙がっている。

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