イチローがWBC監督問題に言及、北京五輪雪辱の機運も批判。

2008/10/19 21:13 Written by コジマ

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王貞治監督に率いられ、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初代王者に輝いた野球日本代表。来年3月に開催される第2回大会では連覇が期待されているが、代表監督の選考から難航している。10月15日のWBC体制検討会議で北京五輪日本代表監督を務めた星野仙一氏に内定したことが報じられたが、北京五輪での惨敗から批判の声が相次ぎ、星野氏就任に反対するオンライン署名活動まで始まった。星野氏監督就任の是非以上に、数カ月でチームがまとまるのかという懸念も出てきている。

こうした中で、代表入りが確実視されている米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手が、WBCについてコメントを発表した。代表監督の選出問題だけでなく、北京五輪での雪辱ととらえる機運にも批判的意見を示している。

五輪については「あくまでアマチュアのための大会」として参加を固辞してきたイチロー選手だが、第1回WBCでは積極的に参加しただけでなく、レギュラーシーズンでは見せない闘志を前面に出したプレーを披露した。それだけ同大会にかける気持ちが強いのだろう。

第2回大会についても、イチロー選手は「もう一度、本気で世界一を奪いにいく。WBC日本代表のユニホームを着ることが最高の栄誉であるとみんなが思える大会にい自分たちで育てていく。シンプルなことなんですけどね」(共同通信より)と意気込みを語る一方で、監督選手問題については「最強のチームをつくると言う一方で、現役監督から選ぶのは難しいでは、本気で最強のチームをつくろうとしているとは思えない」(同)と指摘。選考基準に関して疑問を投げかける形をとっているが、本人は現役監督の就任を望んでいるようだ。

また、第1回大会でチーム内の一体感を演出したイチロー選手、第2回大会でも「大切なのは足並みをそろえること」(同)としているが、「(惨敗の)北京の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」(同)と、北京五輪の雪辱をWBCで晴らすという機運について警鐘を鳴らしている。

「星野氏が監督ならWBCに参加しない」との噂が出ていたイチロー選手だが、今回の発言を深読みすると、現役監督ではないうえに北京五輪惨敗の「象徴」である星野氏の代表監督就任を暗に批判しているのかもしれない。

一部報道では、イチロー選手を中心に日本人メジャーリーガーが結束を固め、WBC出場を確認し合っていると伝えられた。また、辞退が濃厚とされていた松井秀喜外野手(ニューヨーク・ヤンキース)も「長嶋さん、王さんに出てほしいと言われたら出る」と参加をほのめかしているとのことで、第2回大会は文字通り日本最強のメンバーで臨める可能性が出ている。しかし、その中心であるイチロー選手が苦手にしているという星野氏が指揮を執ることになれば、星野氏の指揮能力の問題とは別に、チーム内の結束に影響が出そうだ。

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