ナビスコ杯敗戦で浦和サポーター激怒、試合後1時間半居残り抗議。

2008/03/21 15:43 Written by コジマ

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今季開幕2戦でホルガー・オジェック監督を電撃解任し、コーチだったゲルト・エンゲルス氏が指揮を執る新体制をスタートさせた浦和。エンゲルス監督はチーム立て直しの課題として「楽しい雰囲気作り」を目標としており、選手たちからは歓迎されているようなのだ。

そんなエンゲルス体制で初めて臨んだのが、3月20日に開幕したナビスコ杯。今大会はアジアチャンピオンズリーグに出場している鹿島とG大阪(決勝トーナメントから出場)を除くJ1の16チームが参加しており、浦和は名古屋や京都、神戸とともにグループAに所属している。

20日の開幕戦では神戸と対戦。浦和は日本代表の合宿に参加しているFW高原直泰選手、MF鈴木啓太選手、MF阿部勇樹選手と主力を欠いた状態ながらも試合を支配していたのだけど、試合開始直後に神戸のFWレアンドロ選手に決められた1点を返すことができず、初戦で黒星を喫した。エンゲルス体制の船出として、最悪な形となってしまったのだ。

この試合後、熱狂的な応援で知られる浦和サポーター約5000人が1時間半にわたって観客席に居残り、抗議を行った。怒りの矛先はエンゲルス新監督でも選手でもなくチーム幹部に向けられており、「フロント、GMの無能には呆れるばかり。監督を切ってそれでOKか?」で始まる抗議文が書かれた横断幕を掲げて幹部との対話を要求。オジェック前監督との確執からFWワシントン選手(現ブラジル・フルミネンセ)との契約を更新しなかったのにたった2戦で同前監督を解任し、新加入選手が機能しないなどクラブの今後が見えてこないことに言及したうえで、「もう(浦和サポーターのかけ声である)『We are REDS!』はやらない」としていたのだ。

これに対してレッズの藤口光紀社長らが小雨の中で30分ほどサポーターと対話し、監督が交代してチーム一丸となってやっているのでもうしばらくは見守ってほしいことを伝えたようだけど、現時点で具体的な改善策を示せないためにサポーターの代表からは「クラブが甘えているのではないか、一緒になって真剣に考えて下さい」と批判の声も上がったみたい。

さらに藤口社長は、公式サイトでオジェック前監督を冷淡に解任してはいなことを説明し、サポーターの抗議に対して「愛情でした。ありがたいことです。レッズ愛も感じましたし、それに我々がきちんと何かを示すことが大事です」(公式サイトより)と感謝。「今、チームはゲルト体制でひとつになって取り組んでいるところです。23日のナビスコカップと30日のJリーグ、これが本当に大事だと思っています。チームとクラブが本当に一体となって、チームを全面的にバックアップしてやっていきたいと思っています」(同)と理解を求めたのだ。また、中村修三GMは「もう『We are REDS!』は やらない」と言われたことがかなりショックだったようで、「早く『We are REDS!』をまた最後にコールしてもらえるようにやっていきたいと思います」(同)とコメントしている。

開幕から第2節までの入場者数合計が過去最高を更新したJ1だけど、その一翼を担う浦和サポーターがそっぽを向いてしまったら、Jリーグ全体に影響しかねない。3月23日のナビスコ杯第2節(京都戦)と3月30日のシーズン第3節(新潟戦)は、浦和サポーター以外からも大きな注目を浴びそうなのだ。

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