地球に落下の恐れのあるスパイ衛星、米がミサイルで撃墜へ。

2008/02/16 13:37 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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先日narinari.comでもお伝えした、米大型スパイ衛星落下の可能性。当初は1990年に打ち上げられた「KH-12」という偵察用の衛星だという話でしたが、その後の情報では、2006年に打ち上げられた個体と判りました。なんでも打ち上げ直後から制御機能に不都合が見付かり、コントロール出来ない状態になっていたそうです。

ってことは、2006年からすでに落下の可能性が出ていたってことですか(汗)? 早くいえっつーの……。

衛星は燃料タンクに「ヒドラジン」という化合物を使用しています。これは気化した状態で吸引されたり、肌に触れたりすると腐食をもたらして、中毒症状を起こすという、恐ろしいシロモノ。同衛星には450キログラムも積み込んであるのです(汗)。こんな人工衛星が頭上に落ちてきて、大量の毒物が散乱したら……。考えるだけでも気を失いそうです。人口の密集した大都市に近かったら被害はさらに大きくなるでしょう。

人々に不安が広がる中、米国では解決策として、衛星が大気圏中に突入する前に、ミサイルによって撃墜する計画があると発表しました。大統領から直接、国防総省に指示が出されたそうなのです。米戦略軍のカートライト司令官によると、海軍のイージス艦に搭載されたSM-3ミサイルを使用する予定だとか。

実施は20日以内を予定しており、政府当局、軍関係者、そしてNASAの専門家と検討の上、日にちを決定するそうです。ちなみに今回の緊急処置に使われる費用はざっと60,000,000ドル(日本円で約65億円)。

多くの人命を救うと考えれば、決して高くはないでしょう。

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