故障との闘いに幕、ロッテの「ジョニー」黒木知宏投手が引退表明。

2007/12/12 15:58 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


気迫のこもった投球で「魂のエース」と呼ばれ、「ジョニー」の愛称でも親しまれているロッテの黒木知宏投手。突出した速球や変化球を持っているわけではないのだけれど、その気合と力強い投球はイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)も認めたほど。ケガをしていても全力でプレーするなど、ロッテファンだけでなく野球好きの心を熱くさせてくれる投手なのだ。1998年にチームが日本記録となる17連敗したときの涙は印象的だった。

97年から5年連続で2ケタ勝利を挙げ、98年には最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。小宮山悟投手とともにロッテのエースに君臨し、小宮山選手が移籍しても低迷期のロッテを支え続けた。しかし、全力プレーがアダとなり、01年から相次ぐ故障に悩まされるように。02、03年は1軍登板がなく、04年からも3年間で15試合のみ。今季も1試合にとどまっていた。多くのファンが復活を望む中で、今年10月2日、ついに球団から戦力外通告を受けてしまったのだ。

現役続行を強く望んでいた黒木選手は練習を続けながら他球団からのオファーを待っていたのだけれど、西武やヤクルトなど獲得に興味を示していた球団が相次いで撤退。その後も他球団から声はかからなかった。一部では“野球浪人”をして来オフ以降のオファーを待つとも報じられたが、「11月いっぱい頑張って、必要とされていないなら受け止めないといけない」(スポーツ報知より)と話していたとおり、34歳の誕生日を迎える前に引退を発表したのだ。

黒木選手は、12月12日に都内で開いた引退会見で「(選手で)すばらしい経験をさせてもらった。今後はそれを違った形で伝えていきたい」(サンケイスポーツより)とコメント。球団からの引退勧告を受けなかったためコーチ就任の要請はされておらず、これからは野球解説者になると報じられている。

こうなると11月に2回行われた12球団合同トライアウトを受けなかったことが悔やまれるけれど、男気あふれる投球で野球ファンを魅了した黒木選手なだけに、今度は宮崎訛りの抜けていない独特の話し方と熱い解説で野球界を盛り上げていってほしいのだ。


☆黒木知宏投手の生涯成績

76勝68敗1セーブ(199試合登板)
防御率 3.43
奪三振 879
獲得タイトル 最多勝(1998年)、最高勝率(1998年)

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.