MLBのバリー・ボンズ、起訴されて気になる今後の選手生命は?

2007/11/17 13:08 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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米大リーグで一番の嫌われ者、バリー・ボンズ。彼は、球界屈指の名選手と謳われたボビー・ボンズを父に持ち、これまた名選手ウィリー・メイズ(彼と父ボンズは共に「300本塁打・300盗塁」の記録を達成している)が名付け親という、生まれながらに大リーガーになるために生まれてきたような人物です。しかしその分自尊心が強く、目上の人に対しても無礼な態度を取ることが多いとして、チームメイト、メディア、はたまた野球ファンからも目くじらを立てられることが多い選手です。

そんなボンズは、以前からステロイドや成長ホルモンなどの薬物使用の噂が絶えず、彼の輝かしい記録(歴代1位の通算762本塁打やシーズン73本塁打など)も、その疑惑の影に押しやられている状態。さらに先にも書いた性格の悪さが拍車をかけて、彼のドーピングの事実は「限りなくクロに近い灰色」と世間では認識されています。

そして先日すでにご存知の方も多いと思いますが、カルフォルニア州サンフランシスコの連邦大陪審によって、ボンズはとうとうこの件に関係する容疑で起訴されてしまったのです。ただこの容疑はドーピング自体ではなく(実際、彼が使った以前使ったとされる薬物は、当時まだ禁止されてなかったので法律的には問題にはならない)、その疑惑に関して以前連邦大陪審から召喚された際に、虚偽の証言をしたことによる「偽証罪」と「司法妨害罪」など、合計4件。

これから裁判が始まるとなると、来シーズンにまでずれ込む可能性もあり、さらに有罪になれば禁固令も待っています。そんな彼を、たとえ実力があったとしても、どこの球団も欲しいはずはありません。さらに、将来の大リーグの殿堂入りだってどうなるか……。

元セントルイス・カージナルスのマーク・マグワイアも以前、自身のステロイド使用に言及しないという、煮え切らない態度を取り続け、その結果殿堂入りの資格が与えられた2007年に、確実とされていた票を集め切れずにその名誉を受け取り損ねました(ただし殿堂入りの資格は今後もキープ出来るので、これからも投票のたびチャンスはある)。

大リーガーというのは子供の憧れでもあり、ただでさえスポーツ選手を尊敬する気質の米国人。それはアスリートにとっては名誉である分、その尊敬を保持するだけの人間性も兼ね備えていなければなりません。ボンズに関しては、その「人間性」に疑問視がささやかれている分、未来はあんまり明るくないのかも……。


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