パイレーツの桑田真澄投手に戦力外通告、去就は週末に決定か。

2007/08/15 16:09 Written by コジマ

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昨年末に米大リーグのピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約し、今年6月に念願のメジャーデビューを果たした桑田真澄投手。40歳目前にしても夢をあきらめず、ひたむきに挑戦する姿は多くの人に感動と勇気を与えてくれたのだ。

デビュー戦(対ニューヨーク・ヤンキース)こそアレックス・ロドリゲス内野手に2点本塁打を浴びせられたものの、6月は9試合に登板して防御率2.53と上々の成績。メジャーでも通用するのではないかと多くのファンが期待したのだけど、7月2日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では初の満塁本塁打を許すなど2/3回を投げて5安打7失点と炎上した。その後も失点する場面が多く、8月14日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦ではまたも1回で5点を失うという失態を演じ、防御率も9.43まで落ちてしまったのだ。ジム・トレーシー監督が「ストライクを投げるマシンだ」と評した制球が乱れていることと、投球術にメジャーの選手たちが慣れてきたことが原因となっている。

開幕直前のケガにマイナー調整という温情をもって接し、メジャー昇格後も桑田投手を全面的にバックアップしてきたパイレーツ首脳陣だけど、この状態は容認できなかったようで、ついに桑田投手へ戦力外を通告した。今後は10日間のウエーバーにかけられ、他球団からの獲得申し込みがなかった場合はマイナー契約か自由契約かを選択することになるのだとか。

かつて大洋(現横浜)でプレーし、「桑田投手の経験と力は必要」と言い続けてきたトレーシー監督は「最初の姿に戻ってほしいと思ったが、悪循環に入ってしまった」(スポーツニッポンより)と語っており、桑田投手の再起を期待していた模様。戦力外通告は苦渋の決断だったようなのだ。桑田投手の最大の理解者であるジム・コルボーン投手コーチ(元オリックスの投手コーチ)は、「クワタは多くのものを与えてくれ、私も特別な思いで接していた。どんな時でも、マスミ・クワタは私のそばにいる」(同)というコメントを寄せている。

球団はマイナー契約について前向きに考えているようだけど、3Aのインディアナポリス・インディアンズは9月3日が今季最終戦となっており、プレーオフ進出も難しい状態。桑田投手がメジャー再昇格を目指して調整するには、時間がなさそうなのだ。また、年齢や成績を考慮すると、他球団から声がかかることもそれほど期待できない。

桑田投手は「今後のことについてはわからない。まだ何も決めていない。こういうことは野球にはつきものだ。今はただ、僕にチャンスをくれたパイレーツにお礼を言いたい。本当に感謝している。みなさんのおかげだ。金曜日(17日)までにどうするか決めたい」(夕刊フジより)としているのだけど、「もう十分です。(右足首の)けがをしたことによって底辺も見せてもらったし、3Aに行ってマイナーの経験もできた。何も悔いなしです」(スポーツニッポンより)という引退を示唆するようなコメントもしているのだ。

39歳「オールドルーキー」の夢の続きをまだまだ見ていたいけれど、それは桑田投手が決めること。週末に下されるという決断は、引退ということも覚悟しておいたほうがよさそうなのだ。

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