ディクシー・チックスが最多5部門制覇、第49回グラミー賞授賞式開催。

2007/02/13 22:37 Written by コジマ

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毎年、エンターテイメント賞の幕開け的役割を担うグラミー賞。「実際のファンの声を反映していない」「商業的だ」なんていう批判も聞こえてくるけど、世界でも最高峰の音楽賞、受賞者はやっぱりうれしいようなのだ。

そのグラミー賞の授賞式が今年もついに開催された。49回目を迎えた今回は8部門にノミネートされたメアリー・J・ブライジが注目されていたのだけど、フタを開けてみれば米テキサス州出身の女性3人組カントリー・バンド、ディクシー・チックスが主要部門を独占。総合で5部門の最多受賞者となったのだ。

ディクシー・チックスは、2003年のロンドン公演で観客に向かって「テキサス出身の米大統領を恥ずかしく思っている」と発言した“ブッシュ批判事件”によって、放送局が彼女たちの曲の放送を中止したり、リスナーから苦情が入ったり、仕舞いにはトラクターで彼女たちのCDを押しつぶすなんて過激な行動に出た人までいたようなのだ。こうした事態にもめげず、「大統領は多数の意見を無視して世界から孤立していると思う。発言はその不満から噴出したもの。自分の意見を口にするのは、米国人の特権の1つよ」と、きっぱりコメントしていた。そんな彼女たちを応援する声は、世界中にたくさんあったのだ。

今回のグラミー賞で、年間最優秀レコード賞(「ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス」)、年間最優秀アルバム賞(『テイキング・ザ・ロング・ウェイ』)、年間最優秀楽曲賞(「ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス」)の主要3部門を独占し、ほかにも年間最優秀カントリー・アルバム賞(『テイキング・ザ・ロング・ウェイ』)、年間最優秀カントリー・パフォーマンス賞(デュオorグループ)の2賞を受賞。彼女たちの支持者は溜飲を下げたことだろう。また、『テイキング・ザ・ロング・ウェイ』のプロデューサーであるリック・ルービンが、最優秀プロデューサー賞を受賞している。ちなみに、ディクシー・チックスはグラミー賞で98年に2部門、99年に1部門、02年に3部門、04年に1部門を受賞し、今回で12個目のグラモフォンを手にしたことになるのだ。

一方、最多受賞が期待されたメアリー・J・ブライジは、最優秀女性R&Bパフォーマンス賞、最優秀R&B楽曲賞(「ビー・ウィザウト・ユー」)、最優秀R&Bアルバム賞(『ザ・ブレークスルー』)の3部門の受賞にとどまり、6部門ノミネートのレッド・ホット・チリ・ペッパーズも最優秀ロック・パフォーマンス賞(デュオorグループ)、最優秀ロック楽曲賞(「ダニー・カリフォルニア」)、最優秀ロック・アルバム賞(『ステイディアム・アーケイディアム』)の3賞獲得のみだったのだ。

5部門でノミネートされた話題のナールズ・バークレイは、最優秀オルタナティブ・アルバム賞(『セント・エルスホエア』)、最優秀アーバン/オルタナティブ・パフォーマンス賞(「クレイジー」)の2部門を受賞。同じく5部門ノミネートのジェイムス・ブラントは、1部門も受賞できなかったのだ。そのジェイムス・ブラントら強豪ひしめく最優秀新人賞は、キャリー・アンダーウッドが受賞した。

それぞれ喜びと不満はあるだろうけど、苦難を乗り越えて最多受賞したディクシー・チックスに祝福と感謝を贈りたいのだ。


☆第49回グラミー賞受賞者(主要部門)

【年間最優秀レコード賞】
ディクシー・チックス 「ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス」
【年間最優秀アルバム賞】
ディクシー・チックス 『テイキング・ザ・ロング・ウェイ』
【年間最優秀楽曲賞】
ディクシー・チックス 「ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス」
【最優秀新人賞】
キャリー・アンダーウッド

※詳細はグラミー賞公式サイト(英文)参照。

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