「私は泥棒」窃盗犯に看板背負わせる判決、ジョージア州で。

2006/12/08 14:07 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカの裁判所では時々、日本では考えられないような判決が出されることがあります。以前 Narinari.com でも紹介しましたが、10代の少女らにいかがわしい露出行為をした男性に対して、デラウェア州の判事は「私は登録済みの性犯罪者です」と書かれたTシャツを22ヶ月間に渡り着用するように命令したり、ワシントン州に住む未成年のレイプ犯に対し、今後18歳になるまで彼がデートをする場合には、その相手の保護者に過去に性犯罪を犯した事実を伝える義務を課したり。正直、犯罪者に対して赤っ恥をかかせる目的の判決が下されることがあるのです。これって許されることなのかしら?

気になってウォール真木がダンナに聞いたところ、アメリカの憲法では "Cruel and Unusual Punishment" (残酷で異常な刑罰)が禁じられている、と記載されているものの、その解釈は実に幅広く、判決を言い渡す側も比較的自由に刑罰を決定できるのだとか。なので有罪となった犯罪者が不当として訴訟しない限り、いろいろな罪の償い方がありえるのです。へー、なるほどね。

そして今回ジョージア州の小さな町で、窃盗を犯した女性に言い渡された判決も、ちょっと風変わりなもの。23歳のブレアナ・クレヴィッツ被告は今年6月、当時働いていたファスト・フードのお店で窃盗を働いた容疑で起訴されました。そして先日有罪判決を受けたワケですが、通常ではここで刑務所での受刑となるところを、なんと「首から『私は泥棒です』という看板を下げてダウンタウンを2時間半ねり歩く」という罰を受けたのです。は、恥ずかしいわなぁ(汗)。

しかしクレヴィッツ被告自身は、この判決を真意に受け止めて言いつけられた通りに実行。

「刑務所に入るだけなら、無名のまま罪を償うことが出来るけど、それじゃ悪いことをした責任を果たしきれないわ。判事の言い分はよく判ります」

と恥ずかしい経験も人生の勉強だと受け入れている様子です。そして彼女自身も驚いたそうですが、彼女の看板を下げた姿を見た通行人の何人かは、励ましの言葉をかけてくれたんだとか。

当の判決を言い渡したローレン・グレイ判事によると、この手の罰則は今までにも使ったことがあるそうで、

「こういった小さな町のように、誰もがお互いを知っている土地柄では恥をかくことが一番の更正への道なのです」

と、その効き目を信じているとか。

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