遅咲きのピアノマン、ダニエル・パウターインタビュー。

2006/06/15 22:42 Written by コジマ

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最近、「ヤービュティフォ〜♪」という歌がようやく街中で流れないようになったと思ったら、今度は「コージュハダバッデ〜♪」という歌が繰り返しかかるようになったのだ。前者はウォール真木が愛する英国のシンガー・ソング・ライター(SSW)、ジェイムス・ブラントの「ユア・ビューティフル」で、後者はカナダのSSW、ダニエル・パウターの「バッド・デイ〜ついてない日の応援歌」なのだ。35歳と遅咲きの新人ながら、昨年発表のデビューアルバム『ダニエル・パウター』が全米チャートを制覇するなど、キャッチーなメロディーと魅力的な声で快進撃を続けるダニエル・パウターに、読売新聞が直撃している。

最近、海外のSSW人気がじわじわ上がってきている。日英米で大ヒットを飛ばしたジェイムス・ブラントはいわずもがなだけど、ジャック・ジョンソンやジェイソン・ムラーズなど、その人気ぶりは日本にも確実に飛び火しているのだ。また、アヴリル・ラヴィーン、サム41、ニッケル・バック、アーケイド・ファイア、ブロークン・ソーシャル・シーンなどなど、近年はカナダの音楽シーンも注目されている。そんななか、欧州から人気に火が付き、本国カナダ、オーストラリアなどでゴールド・ディスクを獲得、米国では人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエンディングに使われチャートを制覇、昨年行われたライブ8ベルリン会場にも参加、ついにカナダ版グラミー賞といわれるジュノー賞で今年の最優秀新人アーティストに選ばれたダニエル・パウター。しかし、35歳で華々しく世界に知られるまで、決して楽ではない道のりを歩んできたようなのだ。

ダニエル・パウターは、音楽大学を中退した後、バンクーバーでアルバイトをしながら音楽活動をするというかなり苦しい生活を送ってきた。「それはひどい生活だったよ。お金がなくなると、友人の家に転がりこみ、麻薬におぼれたこともあった」というほど。しかし、「根っからの音楽好きで、小さなライブハウスで演奏しているだけで幸せだった」と言うように、本当に音楽を愛していたからこそ続けられたようなのだ。そんな彼の地道な活動が実って、2000年にプロデューサーのジェフ・ドーソンとともに売り込んだデモテープが大手レコード会社ワーナーの目に留まり、欧州でじわりと人気が出て、今回の大ヒットにつながったのだ。

日本でもテレビやラジオ、レコード屋の店頭などで繰り返しかけられている大ヒットシングル「バッド・デイ〜ついてない日の応援歌」については、邦題のとおりうまくいかないで落ち込んでいる人への応援歌となっているのだけれど、本人は「実は、ささいなことにくよくよし、不満をためて生きている人への皮肉が発端となった曲なんだ。それは自分自身のことでもあるんだけれどね。ただ、それを直接的に表現せず、応援歌的な物語設定にしている。僕の場合、そうした表と裏の二重の意味を持たせた歌詞が多い。聴く人は自由に解釈してほしい」と、一定の解釈は歓迎していないようなのだ。でもなあ、やはりなんとなく励まされる気分になっちゃうのだ。気になる人は、公式サイトYouTubeでPVがチェックできるのでぜひ。

今年のサマーソニックにも出演するダニエル・パウター。ちょっとマスコミの扱いが過剰で一発屋になっちゃうことを危惧してしまうのだけど、すばらしい声とポップセンスを持っているので是非ともコンスタントに良い曲を発表していってほしいのだ。ただ、ウォール真木に感想を聞いたところ、「まだまだ甘い」だそう。うーん、厳しい。

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