「中途半端なものは出したくなかった」インテルが描くUltra Mobile PC。

2006/05/01 09:43 Written by コ○助

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今年2月末に「iPod」対抗製品をマイクロソフトが準備しているとの噂がネットを駆けめぐり、3月に噂とは少し異なるカタチで姿を現した「Origami」こと「Ultra Mobile PC(UMPC)」。ノートパソコンとPDAのすき間を埋める製品群として、ユーザーインターフェース部分をマイクロソフトが、ハード部分をインテルが規格をまとめ、その規格に見合った製品をメーカー各社が開発するという図式で華々しく発表されたなりよね。予想されていたよりも大きなハード、高い価格、駆動時間の短いバッテリーなど、早くも「モバイル機器には世界で一番うるさい」と言われる日本からはさまざまな問題点を指摘されているなりが、とりあえず国内ではタッチパネルやタブレット型パソコン、周辺機器のメーカーであるPBJから第1弾の製品が登場。まずは法人や教育分野での需要開拓に乗り出しているなりよ。

国内ではNECやソニーなど、主要メーカーが対応機器を投入していないこともあり、現時点では国内唯一の「Ultra Mobile PC」メーカーとなったPBJなりが、PBJの製品に搭載されているCPUは「Ultra Mobile PC」提唱者のインテルのものではなく、VIAのもの。インテルはこれから「Ultra Mobile PC」に対して、どのような取り組みをしていくのか。その辺りについて、ITmediaがインテルの阿部剛士マーケティング本部長に今後の展開を聞いているなりよ。

「中途半端なものは出したくなかった」
「現在は第1フェースで既存のノートPC向けCPUやチップセットを搭載したUMPCが登場する。この段階は今年一杯続き、次の段階となる第2フェーズでは、熱設計電力が0.5ワットに抑えられたCPUを搭載したUMPCが登場。そして2009年にはより理想に近づいたCPUを搭載した第3フェーズ世代のUMPCが登場するだろう」(ITmediaより)

現在はバッテリーの問題もあり、「Ultra Mobile PC」に最適化されたCPUを投入することができないため、中途半端な製品を出すくらいなら、出さないほうが良いとの判断が働いたようなりよ。今年いっぱいは「第1のフェーズ」として、この状況が続くと明言しているなりね。そして、インテルとマイクロソフトが思い描いている真の「Ultra Mobile PC」がカタチになるのは、2009年頃と予想しているようなり。結構先の話になるなりね……。

一方、マイクロソフトは今後「Ultra Mobile PC」にどのように取り組んでいくのか。日経流通新聞にマイクロソフトの飯島圭一ビジネスウィンドウズ製品部シニアプロダクトマネージャーのインタビューが出ていたので、こちらも少し見ておくことにするなりね。

「保険営業や工場の設備管理など従来PDAが活用されてきた業務用途で引き合いがたくさんある」
「ペン入力ができるため学校の教材としても向くとみている」
「(中途半端で使いにくそうとの声について)そういう声があるのは承知している」
「顧客の声を聞きながら今後の製品にフィードバックするのが重要だ。特にバッテリー持続時間などは改善する必要があると思っている」
「(市場が本格的に立ち上がるのは)2007年1月以降ではないか。それまでには国内メーカーの製品が出揃うだろうし、(次期OSの)ウィンドウズ・ビスタが発売されれば「UMPC」も相乗効果で注目を集めるだろう」

問題点の改善要望はすでにマイクロソフトには届いているので、現時点では一般ユーザーは様子見するのが「吉」。来年初頭に向けてメーカー各社が次のフェーズとなる製品を開発しているのは間違いなさそうなので、「Ultra Mobile PC」に手を付けるのは国内メーカーの製品が出揃う来年以降で良いのかもしれないなりね。魅力的な「Ultra Mobile PC」が登場することに期待したいものなり。

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