作品賞は「クラッシュ」、第78回アカデミー賞をレポート。

2006/03/06 19:34 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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いやはや、先ほど「ハリウッド通信」の方でお伝えした「第78回アカデミー賞授賞式」のリアルタイム速報。作品賞は前哨戦の結果からして確実といわれていた「ブロークバック・マウンテン」を退けて「クラッシュ」が受賞しました。ウォール真木はアカデミー賞公式サイトのライブ・ストリーミングでステージ裏の記者会見を観ていたのですが、作品賞が明らかになった瞬間に記者らの口から思わず出た声。あれは歓声ではなくうなり声でした、絶対に。

同作で監督賞を受賞したアン・リーが、その直後のインタビューで「作品賞を取れなかったのは映画のテーマが問題視され過ぎたからだと思うか?」という質問に「それは判らない」と答えていました。でも実際に「ブロークバック・マウンテン」を応援していたファンは同様の質問に「イエス」と答えるのでは?

とはいえ「クラッシュ」も人種差別という厳しい現実を描いた力作。ウォール真木自身も、「ブロークバック・マウンテン」を一番脅かす存在だと思っていたので、他の候補作に突然オスカーを奪われるよりはマシだったかと……。

アカデミー賞におけるサウンドやビジュアル関連の受賞者は今年は「SAYURI」と「キング・コング」が力投してそれぞれ3部門を受賞しました。長編アニメーション部門は「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」が「ハウルの動く城」を抑しのけてオスカーをゲット。「ウォレスとグルミット」は、以前にも短編アニメーションでも受賞経験があるので、まあ納得のいく結果だと思います。

助演男優賞を受賞したジョージ・クルーニーは「グッドナイト&グッドラック」で監督賞とオリジナル脚本賞でも候補になり、トリプル・ノミネーションでしたね。一番最初に発表されたカテゴリでオスカーを手にしたクルーニーは、受賞スピーチで「……ってことは、私には監督賞はナシってことなんでしょうか」とジョークを飛ばし笑いを取っていました。

何はともあれ今年のアカデミー賞受賞リスト、ご覧下さい。

■作品賞
 「クラッシュ」

■ 監督賞
 アン・リー、「ブロークバック・マウンテン」

■主演男優賞
 フィリップ・シーモア・ホフマン、「カポーティ」

■主演女優賞
 リース・ウィザースプーン、「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」

■助演男優賞
 ジョージ・クルーニー、「シリアナ」

■助演女優賞
 レイチェル・ワイズ、「ナイロビの蜂」(仮題)

■脚色賞
 「ブロークバック・マウンテン」

■オリジナル脚本賞
 「クラッシュ」

■編集賞
 「クラッシュ」

■外国語映画賞
 "Tsotsi"、(南アフリカ)

■長編ドキュメンタリー映画賞
 「皇帝ペンギン」

■長編アニメ映画賞
 「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」

■短編アニメ映画賞
 "The Moon and The Son: An Imagined Conversation"

■短編実写映画賞
 "Six Shooter"

■撮影賞
 「SAYURI」

■ビジュアル効果賞
 「キング・コング」

■美術賞
 「SAYURI」

■衣裳デザイン賞
 「SAYURI」

■メイクアップ賞
 「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」

■作曲賞
 「ブロークバック・マウンテン」

■音響賞(録音賞)
 「キング・コング」

■音響編集賞
 「キング・コング」

■オリジナル歌曲賞
 “It's Hard Out Here for a Pimp”、「Hustel & Flow」

■名誉賞
 ロバート・アルトマン

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