新たな魅力発見、オアシスの東京公演レポート。

2005/11/28 09:11 Written by コジマ

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今月17、18、20、21日に行われたオアシス日本公演。ぼくも21日に東京・原宿にある代々木第一体育館で行われたものを観に行ったのだけれど、音楽情報サイトBARKSでは、同じく代々木第一体育館で行われた20日公演分のライブレポートを掲載しているのだ。ぼくが行った21日公演分のことも交えながら紹介するのだ。

今年5月に3年ぶり、6枚目のアルバム「ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース」を発売し、日本でも30ぶりに英国人バンドでオリコンチャート1位を獲得したオアシス。アルバム発売に伴う今回の世界ツアーは2002年以来で、日本のファンも彼らの来日を長いこと待ち続けていたファンも多いのではないだろうか。ツアーの日本公演はすべて指定席で、日曜日だった20日を皮切りに全日ソールド・アウト。ぼくも抽選に外れて諦めかけていたのだけれど、奇跡的に前日にチケットを手に入れたのだ。今年はすでにサマーソニックに出演したこともあって、ぼくらが行った公演でもそうだったけど、20〜30代の人たちを中心に子供連れの40〜50代だけでなく10代とみられる若いファンもおり、新たな客層を獲得していることがうかがわれたのだ。

会場に入ると、世界ツアーで前座を務めたカサビアン(こちらのカサビアンの項を参照)の「クラブ・フット」がかかっていたので、すわ、日本公演でもカサビアンを連れてきているのか? と思ったのだけれど、セット準備中に音源を流しているだけだったのでちょっとガックリ。それでも期待に胸を膨らませながら席へと向かったのだ。

ぼくらの席はアリーナ席のほぼ真ん中。サマーソニックのときに最前列で観たので少し物足りない気がしたのだけれど、あの押し合いへし合いをしなくて済むと思うと、かなりほっとしていたのだ。実際、サマソニのときより落ち着いてしっかりと演奏を観ることができたし。

セットリストは20日も21日もサマソニとほぼ同じ新旧の曲を絶妙に織り交ぜた内容で、ぼくがニューアルバムのなかで一番好きな「ターンアップ・ザ・サン」で始まり、2曲目の「ライラ」から大盛り上がり。でも、ボーカルのリアム・ギャラガーは声の調子が悪く、キーが高い「モーニング・グローリー」のときは苦しそうだったのだ。「ワンダーウォール」のときにはしきりにボリュームを上げるように促してたし。20日は「今回は、すでに大阪、東京で各1公演をこなしているせいか、(リアムの)声を聴く限りかなりコンディションは良さそうだ。」とのことで、前日にパワーを使い果たしてしまったのかな。その代わり、ギター兼ボーカルの兄・ノエルの声は絶好調だったようなのだ。

本編ラストは、その「ワンダーウォール」、「シャンペン・スーパーノヴァ」、「ロックンロール・スター」と名曲でたたみかけた。10年間も「今夜、オレはロックンロール・スターだ!」と歌い続けているリアムにちょっと感動。声の調子が悪くても、それもオアシスなのだ。珍しくアンコールに応え、「ゲス・ゴッド・シンク・アイム・アベル」、「ザ・ミーニング・オブ・ソウル」とニューアルバムから2曲演奏したあと、サマソニで大感動したノエルが歌う「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」が始まり、今回も会場全体が一つになって合唱していたのだ。最後は、いつも通りザ・フーのカバー「マイ・ジェネレーション」で締めた。

今回は落ち着いて観られたためか、ドラムのザック・スターキーの巧さがとても目についたのだ。ザックは言わずとしれた、ビートルズのリンゴ・スターの息子で、師匠は破天荒なドラマーとして有名なザ・フーの故キース・ムーン。彼は現在、ザ・フーの正式メンバーなためオアシスにはサポートメンバーとして加わっているのだけれど、彼のドラム・テクニックはリンゴやキースを超えたのではないだろうか。まあ、リンゴもキースも特別ドラムが巧かったわけではないけど……。

会場が代々木第一体育館だったため、収容人数的にも雰囲気的にもサマソニにはかなわなかったけれど、落ち着いてゆっくり観られたためか、オアシスの新たな魅力が発見できたライブだったのだ。

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