液晶なしケータイ「ツーカーS」ができるまで。

2004/10/21 16:13 Written by コ○助

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いくらシンプルにこだわっているとはいえ、まさか液晶までなくすとは……という驚きの声が上がったツーカーの「ツーカーS」なりが、評判のほうは上々の様子。コ○助も祖父母が携帯電話で苦戦している姿を目にしていることから、こういった極度にシンプルなケータイも選択肢として用意されているのは良いことかな、と好感度はかなり高めなりね。この「ツーカーS」の開発コンセプトについて、ツーカーセルラー東京グループ商品統括部の上杉直仁課長にインタビューした記事がITmediaに掲載されているのでご紹介しておくとするなり。

「『シンプルにする』と言い続けていたが、果たしてどんなものがシンプルなのか。割り切って、黒電話のような携帯を実現したらどうか」
「説明書不要、説明しないといけないような機能はとことんなくそう」
「(着信音は)ほかの着信音に設定することはできない。そもそも、ツーカーSには“設定”という概念がない」
「確かに我々自身、最初のうちは半信半疑で異論反論もあった。しかし、アンケート調査やヒアリングを続けているうちに『こういう市場があることは間違いない』と分かった」

製品発表の際にも「ツーカーS」はそのシンプルさから「黒電話のような携帯」という表現が使われていたなりが、例えば携帯電話には必須だと思われていた電波強度の表示も、アンテナが1本立っていようが、3本立っていようが、利用者は通話できれば良いとの発想から「電波ランプ」が点灯していれば通話可、点滅していたら電波微妙、消灯していたら通話不可といった具合に、表示方法を細分化しないことを心がけたというなり。

「ツーカーS」はシンプルな携帯電話として主に高齢者をターゲットに販売されるので、基本的にはそれほどヒットが見込めるような端末では無いなりが、さまざまなユーザーアンケートなどの結果を見事に反映し、ユーザビリティの向上に努めた姿勢は、きっとほかの端末にも活かしていくことができるはずなりよね。

とかく最近の携帯電話は機能がゴテゴテと付きすぎて、若い人でも「使いこなせない」と嘆く脱落者が出てきているくらいなので、一度原点に立ち返って機能をシンプルにしてみるという作業は、進化の過程で絶対に必要なこと。ツーカーは残念ながら高機能な製品は投入しない方針なりが、同じKDDIグループのauに、こうしたツーカーのアイデア、考え方が良い影響を与えるような流れになれば、auの魅力も増し、ツーカーの存在意義が高まるというもの。まあグループ内でそんな上手い連携が取れているかどうかは定かでは無いなりが(笑)。

ツーカーが「ツーカーS」で携帯電話の在り方に一石を投じたことは間違いなし。これからも「究極のシンプルケータイ」を目指して、いろいろな面白い取り組みを見せて欲しいものなり。

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