長年にわたりジェフリー・エプスタインとの関係を巡るスキャンダルに揺れてきた、英国のアンドルー王子(65歳)が、10月17日、王室称号と栄誉の使用を停止すると発表した。

アンドルー王子は声明で「国王および家族との話し合いの結果、私に対する継続的な告発が陛下と王室の活動の妨げになると結論づけました。私は常に家族と国家への義務を優先してきました」と述べ、5年前に公務から退いた判断を支持しつつ、さらに一歩踏み込む形で称号の使用をやめるとした。また、これまで通り告発内容は強く否定している。
チャールズ国王はこの決定に「満足している」と報じられている。アンドルー王子の元妻セーラ・ファーガソン(65歳)も“ヨーク公爵夫人”の称号を放棄する。アンドルー王子は“ヨーク公爵”の地位は保持するが、今後は使用せず、クリスマスの王室行事にも参加しない予定だという。自宅であるロイヤル・ロッジには2078年までの賃貸契約があるため、引き続き滞在する見込みだ。
アンドルー王子は、エプスタインとの関係を断ったと主張していたが、それが虚偽であったことを示すメールが発覚している。2011年2月29日付のメールには「我々は一蓮托生だ」と記されており、バージニア・ジュフリーとの写真が公開された翌日のものだった。
2022年には、米裁判所の判断を受けてエリザベス女王がアンドルー王子の軍務称号や王室後援、HRHの敬称を剥奪。性的暴行の民事訴訟は非公開の和解金で決着したが、責任は認めていない。
今年4月に亡くなったジュフリーは、10月21日発売予定の自伝「ノーバディーズ・ガール」で、10代の頃にエプスタインとギレーヌ・マクスウェルによってアンドルー王子に性的に利用されたと主張。王子はそれを「自分の生まれ持った権利」のように振る舞い、「ありがとう」と英国風の口調で言ったと記している。