“シースルートイレ”神宮外苑に突如出現

2017/11/17 16:26 Written by Narinari.com編集部

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本日から始まった「2017 神宮外苑いちょう祭り」(明治神宮外苑)。その会場の一角に、“シースルートイレ”なるものが突如出現し、来場者の関心を集めている。

“シースルートイレ”は読んで字のごとく、中から外が見えてしまうトイレ。マジックミラーで覆われており、外からは見えないが(目を凝らせば少し見えているような……)、中からは周囲の人がはっきりと見えるため、普段味わえないトイレ環境を体験できる。もちろん、感じられるのは“気持ち良さ”ではなく、“気持ち悪さ”だ。

しかし、実はその“気持ち悪さ”を感じてもらうことこそが“シースルートイレ”の狙い。企画・展示したのは、多岐にわたる建材・設備機器および幅広い住関連サービスを提供しているリクシルで、来場者に“シースルートイレ”を体験してもらうことで、トイレのない地域で暮らす人々の、排泄・衛生問題を身近に感じてもらいたいという意図があるのだ。

同社の石山大吾氏によると、世界ではいまだ3人にひとり、約23億人が安全で衛生的なトイレを利用できない生活を送っており、そのうち、日常的に屋外で排泄している人が約9億人いるとのこと。そして、そうした不衛生な排泄環境に起因する下痢性疾患で、毎日800人の5歳未満の乳幼児が命を落としているという。女性の場合、屋外排泄から犯罪に巻き込まれるケースもあり、安全で衛生的なトイレを配備することが急務となっている地域は多い。

なお、会場では“シースルートイレ”とともに、簡易式トイレ「SATO」も展示されていたが、こちらは排水口に取り付けられた開閉式の弁によって、従来の汲み取り式トイレの課題であった悪臭やハエを媒介とする病気の伝染を防ぐことができる構造。開発途上国向けに低価格で販売されており(2ドル〜5ドル程度)、現在、世界15か国以上で120万台以上が使用されているという。リクシルは、「SATO」製品の提供拡大を通じ、2020年までに1億人の衛生環境を向上させる考えだ。

“シースルートイレ”の展示は11月19日まで。

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