米ロサンゼルスで動物保護団体を運営している夫婦は、捨て犬の保護に向かうとその様子を動画で撮影し、YouTubeなどで紹介している。そんな彼らが最近、ファストフード店駐車場の隅に住み続けていた、3匹のチワワを保護した。そして普段と同様、7月8日に3匹を紹介した動画をYouTubeで公開すると、徐々に人間との距離を縮めて行く3匹の姿に多くの人が心を打たれ、評判の動画となっているようだ。
この動画は、ロサンゼルスで動物保護団体「Hope For Paws」を運営しているエルダッド・ヘイガーさんが投稿した「Marty, Brooklyn and Penny: Chihuahua rescue in South Central Los Angeles. Please share!!!」(//www.youtube.com/watch?v=CKHjgAZzvyQ)。2004年に団体を設立して活動を始めた彼と妻のオードリーさんは、捨て犬に対する関心を高めるきっかけにと、保護活動の際に動画を撮影して公開している。中にはメディアで評判になった映像もあり、今回の動画も米情報サイトを中心に注目を集め、話題を呼んだものだ。
この日、目撃情報をもとにロサンゼルスにあるファストフード店の駐車場にやって来たエルダッドさん。すると隅っこのほうで並んで体を休めていた、3匹のチワワを発見した。口笛を吹き、餌を差し出して近寄らせようと試みるも、一定の距離を保ってなかなか近付こうとしないチワワたち。実はその後、2匹の体から誰かに撃たれたと見られるBB弾が見つかったそうで、攻撃を受けた過去が人間に強い警戒心を持つきっかけを生み出してしまったようだ。しかし辛抱強く粘る彼に、最初は1匹のオス、それから大きなメスと小さなメスが順番に手に持ったエサを食べるようになり、ゆっくりと距離を縮めていった。
途中、駐車場に車いすの女性が現れると、距離を保ちながらも揃って女性のほうへ体を向けたチワワたち。彼女は、彼らが駐車場に「逃げ込んできた」数週間前からごはんを与え、面倒を見ていたという。そして、彼女からそれまでの経緯を聞いて「私が保護すると約束した」というエルダッドさんは、まだ警戒心を解き切っていない3匹に手を焼きつつ、用意した檻の中へ収容。ただ、檻に指を入れてあやす彼に、彼らは尻尾を振って興味を示す態度を見せており、このときには3匹の気持ちの中で、彼に対する信頼が大きく膨らんでいたようだ。
その後、一旦獣医のもとへ連れて行かれた3匹。シャワーを浴びるなど処置を受けると、小さなメスにペニー、大きなメスにブルックリン、オスの1匹にはマーティーとの名前が付けられた。スタッフたちにもなつく態度を見せるなど、人間を再び受け入れた様子の3匹には、近く新たな家で幸せな生活が始められるはずと期待も膨らんでいたという。ところが保護から4日後、体の小さなペニーが心臓発作を起こし、突然息を引き取る事態が起きたそうだ。少なからず苦しい時間を過ごしたかもしれないペニーが、最期だけでも「彼女が多くの愛と幸せを知って」旅立ったと、ヘイガーさん夫妻は信じたい思いだという。
動画はその後、里親を探す別の保護団体へ引き取られ、元気に過ごしているブルックリンとマーティーの姿を紹介して終了。まだ、新たな飼い主は見つかっていないようだが、動画ページやエルダッドさんのFacebookには、チワワたちへの関心を示す多くの書き込みが寄せられており、2匹の新しい家もそう遠くないうちに見つかることだろう。