旅行の楽しみのひとつは宿泊先の宿。窓から眺める景色の美しさや、心配りの行き届いたサービス、そして日本風の旅館なら用意される食事などもワクワクするポイントだ。そんなバケーション先の宿を選ぶときに、ちょっとした刺激が欲しくなったら、こんな宿はいかがだろうか。

世界最大の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」が、このたび利用者のクチコミをもとに、ユニークな宿泊体験が人気のロッジやモーテル、B＆B（ベッド・アンド・ブレックファスト）などをピックアップした「世にも奇妙な米国の宿トップ10」を発表した。リストに挙げられた宿は、いずれも忘れられない思い出となりそうな個性的なものがズラリと並んでいる。

発表されたトップ10は次のとおり。

1位　古い小学校を改装「マックメナミンズ ケネディ スクール」（オレゴン州）
2位　鉄道車両でリラックス「フォゲット・ミー・ノット ロッジ アンド オーロラエクスプレス」（アラスカ州）
3位　巨大なビーグル犬に泊まる「ドッグ バーク パーク イン」（アイダホ州）
4位　岸壁にある洞窟の宿「ココペリ ケーブ ベッド アンド ブレックファースト」（ニューメキシコ州）
5位　ツタンカーメンの扉？「ビクトリアン マンション オブ ロス アラモス」（カリフォルニア州）
6位　ネコ科大集合「テルペンチンクリーク野生動物保護区」（アーカンソー州）
7位　ルート66沿いのテント「ウィグワム モーテル」（ニューメキシコ州）
8位　西部劇の舞台へ「アドビ グランド ヴィラズ」（アリゾナ州）
9位　50年代にタイムスリップ「シャディ デル RV パーク」（アリゾナ州）
10位　ヘリコプターがラウンジに「ウィンヴィアン」（コネティカット州）

1位に選ばれたのは100年近い歴史を持つ小学校の校舎を改装したロッジ。元は教室だった客室には、アンティークな家具や黒板なども飾られ、ノスタルジックな雰囲気が漂っている。レストランやパブ、講堂を改装した映画館などもあり、地元の卒業生からも愛される場所となっている宿だ。

2位はアラスカ鉄道の古い車両を1両丸ごと1室に改装したロッジ。両窓から見えるフェアバンクスの森に囲まれた雄大な景色も素晴らしく「Forget-Me-Not（わすれな草）」という名前の通り、宿泊者に忘れることのない思い出を提供している。

3位は各客室が巨大な犬の形の建物になっている奇抜な外観のロッジ。胴体はベッドルームとバスルーム、頭の部分もロフト風のベッドルームになっている。4位は砂岩の絶壁をくりぬいた洞窟が客室になっているB＆B。壁や天井は剥き出しの岩場だが、床にはカーペットが敷き詰められ、ふかふかのソファーやベッドを設置、換気設備もしっかりとしているため、想像以上に快適な滞在を楽しめるという。

5位はそれぞれテーマの異なるユニークな客室が全6室の宿。例えば50年代のロックをテーマにした「50'sスイート」には、室内に実物の56年式キャディラック・コンパーチブルがソファ代わりに鎮座していたり、エジプシャンスイートには、ペルシャ絨毯やピラミッド風に石を積み上げたバスタブのほかに、等身大のツタンカーメンの石棺が置かれている。

6位はライオンやボブキャット、クーガーなど、大型のネコ科の野生動物の保護施設に併設されたロッジ。いくつかの客室は檻に隣接して作られており、しなやかなネコ科の生き物の生態を、部屋の窓から間近に観察することができる。

7位は“ウィグワム”と呼ばれるネイティブアメリカンの伝統的なテントが客室になったモーテル。ピクサーのアニメ映画「Cars／カーズ」に登場したモーテルのモデルとなったことでも知られている。

8位は米開拓時代のノスタルジックな雰囲気を再現した宿。全15室の中には、西部劇に出てきそうな幌馬車の形のベッドが置かれた部屋もある。9位はヴィンテージのトレーラーハウスやヨットを客室替わりにしたB＆B。外観だけでなく室内もレトロな雰囲気に改装され、ヴィンテージのテレビや冷蔵庫、レコードプレイヤーなど、まるで50年代にタイムスリップしたかのような気分になれる。

10位はコネチカットの静かな森の奥、広大な敷地の中に、燈台をイメージしたタワーや木々の間に浮かぶツリーハウスなど、ユニークなロッジが並ぶ超高級ブティックホテル。巨大な格納庫のような客室の中には、本物の沿岸警備隊のヘリコプターが置かれている。

旅行にちょっとした「変」なエッセンスをプラスしたいときには面白そうなこれらの宿。米国旅行の際には、参考にしてみてはいかが？