匿名ドナーによる体外受精出産、英国では「父親」が誰でも可能に。

2009/03/04 14:24 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


今年1月に、米国はカリフォルニア州で生まれた八つ子ちゃん。すでに6人の子持ちである無職の女性が、生活保護を受けているにもかかわらず体外受精でさらに8人を妊娠・出産したとして、批判が集まっている出来事です。

通常、体外受精を行う場合は妊娠の可能性を高めるために、複数の受精卵を母体に挿入します。それでも母親と生まれてくる子供双方の健康を考え、あまり多くは入れないハズ。それなのに、多数の受精卵を一度に使用したのは、強引かつ無責任な医療行為だったのでは? として、医療施設側への批判も高まっています。今後は、体外受精のガイドラインになんらかの制限が設けられるかもしれませんね。

今回のように批判の対象になってしまった体外受精ですが、それでも欧米では子宝を授かるための方法として歓迎され、本当に一般化しています。もちろん、それにともなう法律も改定され続けているのですが、先日、英国でシングルマザーが匿名ドナーから精子を提供してもらって妊娠・出産した場合の法律改定がなされたそうです。なんでも、生まれてきた子供の出産証明書の父親欄に、誰の名前を書いても可能になったのだとか。

もちろん養育費などの問題も絡んできますから、法律上は「父親」となる人物本人による承認が必要になります(なので、勝手に「デビッド・ベッカム」だとか「バラック・オバマ」とかは書けません)。でも、たとえば結婚していないカップルの間に生まれた体外受精の赤ちゃんに、実際には血のつながりがないパートナーでも「父親」として立派に法的な関係を結べるようになったのです。

そして興味深いのは、今回の法律は同性愛カップルにも同様の権利が与えられているということ。なので、実際に出産した女性のほうが第1の親、もう1人のほうが「第2の親」と証明書に名前を明記することができるそう。うーん、画期的ですね。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.