川崎F退団のフッキ選手と東京Vが交渉「条件提示はウチだけ」。

2008/03/30 13:14 Written by コジマ

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序盤から優勝候補が相次いでつまづき、波乱の幕開けとなった今季のJリーグ。この影響から、優勝候補筆頭だった浦和はホルガー・オジェック前監督をわずか2試合で解任したのだけれど、代わって指揮を執ることになったゲルト・エンゲルス新監督の初戦(ナビスコ杯予選リーグ第1戦)でも神戸に敗れ、チームはサポーターから猛烈な批判を浴びたのだ。ナビスコ杯予選第2戦も京都と引き分け、今季未勝利が続いている。

一方、優勝候補に挙げられながらもリーグ戦1敗1分、ナビスコ杯2敗とこちらも不本意なスタート切った川崎Fでは、「史上最強の3トップ」の一翼を担うFWフッキ選手が自らの申し入れにより電撃退団した。途中交代させられた第2節の神戸戦がよほど不満だったようで、チーム側は慰留に努めたものの本人の意志は固く、移籍することで退団を認めたのだ。

フッキ選手の加入によって連動性が失われたことが指摘されていたけれど、昨季J2得点王を失うのはチームにとって大きな痛手。さらに、骨折した都倉賢選手、じん帯を損傷した我那覇和樹選手に加えて黒津勝選手、ジュニーニョ選手とFW陣はケガ人続出で、一転してFW不足に悩まされることとなってしまった。

さて、ここで気になるのがフッキ選手の行方。国内だけでなく海外への移籍もささやかれている中で、昨季までレンタルで在籍していた東京Vが獲得に乗り出していることを明らかにしたのだ。

スポーツ報知によると、東京Vの萩原敏雄社長は「何をもって正式オファーと言うのかは分からないけど、条件提示しているのはウチだけ」「フッキはここがいいと言っているし、ウチにとっては、なくてはならない存在」(スポーツ報知より)とコメントしており、移籍する可能性が高いことがうかがえる。移籍金を含めた約5億円の捻出については「(獲得に)動いているわけだから、お金はどこからか出るでしょう」(同)と楽観視しているのだ。

しかし、資金面以外にも外国人枠の問題が残っている。現在、Jリーグでは外国人枠を3人と規定しており、東京Vには現在、スターティングメンバーのMFディエゴ選手とFWレアンドロ選手がいるほか、2月28日にMFフランシスマール選手を川崎Fから獲得したばかり。フッキ選手が日本国籍を取得すれば話は別だけど、ブラジル籍のまま獲得するならばいずれかの選手を解雇しなければならなくなるのだ。

こうしたさまざまな壁があるものの、攻撃力不足が指摘されている今季未勝利(リーグ戦、ナビスコ杯ともに1敗1分け)の東京Vにとって、J1昇格の原動力となったフッキ選手の加入は大きな戦力となりそう。大分の松橋章太選手(神戸へ)、鹿島の柳沢敦選手(京都へ)、横浜Mを戦力外になった鈴木隆行選手(米ポートランド・ティンバースへ)と有力FWに相次いでフラれてきた東京Vがついに補強に成功するのか、興味深いのだ。

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