どうなる「寄生獣」実写映画化、米ニューライン社が40年の歴史に幕。

2008/02/29 22:41 Written by コジマ

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1967年に創業し、「13日の金曜日」シリーズや「エルム街の悪魔」シリーズ、「セブン」、「アイ・アム・サム」などを手がけてきた米インディペンデント映画製作会社、ニューランシネマ。01年からは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを製作し、3作目の「王の帰還」がアカデミー賞で歴代最多タイの11部門を独占した。このシーンは、今年のアカデミー賞授賞式直前に発表された英映画専門誌エンパイアの「最も印象的だったアカデミー賞の瞬間トップ80(The 80 Most Memorable Oscar Moments)」で3位に選ばれたのだ。

3月1日からはニューラインシネマが手がけた大型ファンタジー作品「ライラの冒険 黄金の羅針盤」が日本で公開されるけど、その直前の2月28日、同社の40年にわたる歴史に幕をおろすことが発表されたのだ。

ニューラインシネマは、94年に米ケーブルテレビ局ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS)に買収されたのだけど、96年にはそのTBS社がタイム・ワーナーに買収。TBS社とともにタイム・ワーナーの傘下に入ったのだけど、同じく傘下の映画製作会社ワーナー・ブラザースとは独立して運営されていた。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズはその存在感を示す作品となったものの、その後はヒット作に恵まれず「ライラの冒険〜」も米国内興行成績は予想を下回る結果となっているようなのだ。

それでも海外での興行は好調のようで、「ライラの冒険〜」は日本でも好成績を収めることが予想されている。ところが、ニューラインシネマは海外での配給会社を持っておらず、日本では「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは角川ヘラルド映画、「ライラの冒険〜」もギャガ・コミュニケーションズと松竹が配給。同社は海外配給権を製作前に販売することで製作費を獲得するという手法を取っていたのだ。

海外興行が好調なことから、タイム・ワーナーはこの配給権を販売する手法を非効率と判断し、ワーナー・ブラザースに吸収することを決断。ニューラインシネマの製作は継続するものの、同社が得意のホラー作品や、ウィル・フェレル、ウディ・ハレルソン出演の「Semi-Pro」(最終作品)や「ヘア・スプレー」などのコメディ作品などに限られるとのこと。それも、実質的な運営はワーナー・ブラザースが担当するそうなのだ。

ここで気になるのが、同社が製作を発表している日本のマンガ「寄生獣」(岩明均)や「MONSTER」(浦沢直樹)の実写映画化がどうなるのかということ。ともに05年に発表されて以来、続報が入っていないのだけど、今後は「AKIRA」(大友克洋)の製作を発表したワーナー・ブラザースが引き継ぐのかもしれない。

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