米脚本家組合ストが解除へ、アカデミー賞授賞式は例年通り開催。

2008/02/12 22:31 Written by コジマ

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インターネット配信時の報酬などをめぐって、昨年11月に始まった米脚本家組合の無期限ストライキ。同組合は家庭用ビデオ普及前に二次利用の取り分を主張しないで契約したという苦い経験をしていることから、今回はかなり強い態度で交渉に臨んでいる。

そのため、3カ月以上経った現在も終結せず、映画やテレビドラマの製作が中止を余儀なくされている。また、ゴールデングローブ賞などの授賞式も中止に追い込まれ、2月24日(日本時間2月25日)のアカデミー賞授賞式も開催が危ぶまれていたのだ。

さらに、作品の製作が中断したハリウッドでは映画会社だけでなくケータリングサービスなどを行っている会社にも影響が出ており、休職や失業する人が続出。大手映画会社も大量の一時解雇を発表するなど、現在までの経済損失は14億ドル(約1500億円)にものぼっている。このことから、ストがエンターテイメント産業を衰退させるという懸念も出始めていた。

こうした危機を感じ始めたためか、同組合と交渉している米映画テレビ製作者連合は2月に入ってから急に譲歩し、10日に暫定的合意。2月12日の組合員投票を経て、13日にもストが解除される見通しとなった。そのため、アカデミー賞授賞式も例年通り開催されることとなったのだ。

脚本家組合は1988年にも長期ストを行っており、そのときは22週間に及んだのだけど、今回は15週間での終結となる。しかし、会社側の譲歩は大きかったようで、同組合西部支部のパトリック・バローネ氏は「今回の暫定案は当組合にとって過去30年間で最高の結果となり、過去35年間で最も成功したストライキとなった」(eiga.comより)との声明を発表している。

こうして組合側の“勝利”で終わりそうな今回のストだけど、前述の経済的損失のほか、アカデミー賞授賞式後に行われる恒例のオスカーパーティー(米芸能誌ヴァニティ・フェア主催)の中止も決定。その爪あとは大きく、同誌がパーティー中止の理由として挙げたように、映画業界へのストの影響は今後も続きそうなのだ。

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