日本ハムが多田野数人投手の獲得を断念、“大場争奪戦”に名乗り。

2007/11/16 14:16 Written by コジマ

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日本シリーズが終わって、俄然盛り上がるストーブリーグ。広島の黒田博樹投手や新井貴浩内野手、中日の福留孝介外野手、ヤクルトの石井一久投手、西武の和田一浩外野手らフリーエージェント(FA)選手たちの動向が気になるところで、日本ハムの金村暁投手が阪神の中村泰広投手と交換されるなど、トレードも徐々に熱を帯びてきているのだ。

そのオフ行事の中でも毎年注目されているのがドラフト。10月3日に開催された高校生ドラフトでは、目玉選手だった大阪桐蔭高の中田翔外野手と仙台育英高の佐藤由規投手に4球団(日本ハムが指名権獲得)、成田高の唐川侑己投手に2球団が競合し、それぞれ日本ハム、ヤクルト、ロッテが引き当てたのだけど、11月19日に行われる大学・社会人ドラフトでも、希望入団枠制度が撤廃されたことによって東洋大の大場翔太投手、慶応大の加藤幹典投手、愛知工業大の長谷部康平投手などの注目選手に指名が集中すると見られている。

そのドラフトの「超隠し球」として、米大リーグのオークランド・アスレチックス傘下3Aサクラメントを解雇された多田野数人投手の獲得に乗り出したことで話題になった日本ハムが、米球界復帰の意志が固い同投手の獲得を断念することになった。これに伴い、1巡目入札も左腕の長谷部投手から右腕の大場投手に変更したのだ。

日本ハムは多田野投手を高校の後輩である大場投手と同じ即戦力右腕として評価していたのだけど、獲得の意思を伝えたところ多田野投手が代理人を通じて難色を提示。昨年のドラフトで日大の長野久義外野手(現ホンダ)を強行指名して断られたことを考慮して、断念することになった。多田野投手は日本球界入りよりも米球界への復帰を望んでいるようで、同じく獲得の意思を表明していた広島もあきらめざるを得なくなりそう。本人の希望とはいえ、プロ野球で活躍する多田野投手の姿を見たかっただけに、野球ファンとしてはちょっと残念なのだ。

もともと日本ハムは、即戦力左腕が欲しいために長谷部投手の指名を検討していたのだけど、金村投手との交換トレードで左の中村投手を獲得したことによって、白紙に戻された。さらに、多田野投手を断念したことによって、1巡目指名も左の長谷部投手から右の大場投手に変更したようなのだ。

大場投手は、早大の斎藤佑樹投手に投げ勝ったことでも注目された明治神宮野球大会決勝で、準々決勝からの3連投によって直球主体から変化球を多用する投球スタイルに変更。六大学野球三冠王の田中幸長外野手をはじめ早大打線を2安打10三振と沈黙させ、投球の幅の広さを見せつけた。このことで、各球団は指名の意志をいっそう固めたのではないだろうか。

すでに阪神をはじめ巨人、ロッテ、西武、楽天などが指名を検討しており、日本ハムの参戦によって高校生ドラフトの中田外野手や佐藤投手を上回る8球団の指名が予想されている。先発投手のコマが不足している阪神にとって、大場投手はノドから手が出るほど欲しい即戦力投手。中田外野手を引き当てた日本ハムのくじ運が続くのか、そこで尽きたのか、阪神ファンにとって気になるところなのだ。

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