度の入っていないカラーコンタクトで眼障害続出、警告表示を検討。

2007/10/29 22:55 Written by コジマ

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ソフトや使い捨ての登場によって、より手軽な存在となっているコンタクトレンズ。眼鏡よりも広い視界が得られるため、ぼくのような視力の弱い者にとってすごくありがたい存在となっている。初めて着けたときには、「目のいい人はこんな見え方をしているのか!」と感動したのだ。

一方で、目の中に直接入れるという使い方は、ともすれば重大な病気を引き起こす危険性もはらんでいる。Narinari.comでも2005年にコンタクトレンズによる眼障害が年々増加していることをお伝えしたのだけれど、06年度から保険料削減によって検診料が高額化したため受診者は減少の一途をたどり、その傾向はさらに強まっているようなのだ。

こうした中で、度の入っていない非医療用カラーコンタクトレンズによる目のトラブルが相次いで報告され、失明につながるような深刻な眼障害も少なくないことが問題となっている。そのため、厚生労働省などは警告表示の義務化することを検討し始めたのだ。

カラーコンタクトレンズは目の虹彩に当たる部分に色を付け、見た目の印象を変えてくれるもの。初めてカラーコンタクトレンズを着けている人を見たときにはなんだか表現しようのない恐ろしさを感じてしまったのだけど、いまでは着けている人が多いのでそれほど違和感は感じなくなった。それでも、マリリン・マンソンらのように全体が白いものを着けている人は怖いのだけど。

気軽にイメージが変えられるカラーコンタクトレンズは、視力が弱い人以外にも利用者は拡大しており、度の入っていないレンズも登場した。度の入っていないレンズは医療機器(薬事法改正前は医療用具)に指定されている通常のレンズと違って薬事法で品質や販売が規制されていないため、医療用と比べて量販店や雑貨店などで気軽に買えるようになっている。業界団体もないために、利用者の実態も把握されていなかったのだ。

そこで、国民生活センターが05年度に非医療用カラーコンタクトレンズ10銘柄を調べると、4銘柄で色素が取れることが分かり、そのうち2銘柄は目の細胞を破壊する「細胞毒性」が検出されたのだ。さらに、日本眼学会や日本コンタクトレンズ学会による協議会が昨年10月に調査したところ、全国213の眼科で非医療用カラーコンタクトレンズによる目の病気が1カ月で27件報告され、そのうち失明につながる恐れのある角膜潰瘍や角膜浸潤といった深刻な病気が3割を超えていたのだそう。

こうしたことから、非医療用のカラーコンタクトレンズについて国会でも取り上げられるようになり、厚生労働省と経済産業省は今年5月に小売団体に対して使用上の注意を購入者に知らせるよう要請したのだけど、さらに両省と製品評価技術基盤機構(NITE)が調査委員会を発足し、警告表示の義務化など規制に乗り出すことになったのだ。

コンタクトレンズの被害は利用者の増加とともに増えているため、視力補正目的でない人も利用すればそれだけ病気にかかる人も多くなるのは当然なのかも。しかし、非医療用カラーコンタクトレンズは薬事法で規制されていないためにメーカーの好きなように作られている感があり、また、視力が弱くない人はコンタクトレンズの注意事項を知らないで購入しているケースも多いみたい。深刻な眼障害にならないためには、きちんと検査を受けたものをきちんと使ったほうがよさそうなのだ。

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