世界経済フォーラムの国際競争力ランキング発表、日本は7位。

2006/09/27 23:10 Written by コジマ

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日本は外国からよく「政治は三流、経済は一流」なんて評価されているけど、否めない部分もある。裏を返すと、それだけ経済的な競争力が国際舞台における日本の要となっているのだ。そんな経済競争力を、「ダボス会議」で有名な世界経済フォーラム(WEF)が評価する「国際競争力ランキング」の2006年度版が発表された。

このランキングは、WEFのメンバーである世界の研究者や経営者ら1万1000人が各国・地域の統計データなどを元に経済的競争力を評価するもので、対象国・地域は125にものぼるのだ。今年度から新しい評価指標を導入し、制度的環境、インフラ整備、マクロ経済、保健衛生・初等教育、高等教育、市場効率性、技術革新、ビジネス洗練度、技術的準備の9分野90項目で評価された。

新指標導入に伴って昨年の順位も訂正されたので、新たなトップ10見てみると、

1. 米国(2)
2. フィンランド(1)
3. デンマーク(4)
4. スイス(8)
5. シンガポール(6)
6. ドイツ(15)
7. スウェーデン(3)
8. 台湾(5)
9. 英国(13)
10. 日本(12)

となっている(カッコ内は発表時の順位)。発表時に7位だったアイスランドや9位だったノルウェー、10位だったオーストラリアは、新指標によってトップ10圏外になってしまったのだ。

そして、今年のトップ10は、

1. スイス
2. フィンランド
3. スウェーデン
4. デンマーク
5. シンガポール
6. 米国
7. 日本
8. ドイツ
9. オランダ
10. 英国

1位のスイスも2〜4位を独占した北欧諸国も、知的所有権や政治的・司法的な制度的環境、高水準な教育制度、技術革新などで高い点数を獲得している。よく取り上げられているように、福祉制度も充実しているのだ。経済的側面だけでなく、世界的に見て税金が最高水準にありながらも、しっかりと国民に還元した住みやすい国であるようなのだ。

一方、1位から6位に転落した米国は、マクロ経済の分野がネックとなった。財政赤字や経常赤字をなんとかしないと今後も順位は落ちていきそう。他国の政治体制に介入している場合ではないのだ。

日本は技術革新力と保健衛生の分野で1位となり、総合で前年の10位から7位に上昇したのだ。しかし、米国同様、マクロ経済分野で91位、特に赤字財政の項目で114位となっているため、昨年より順位を上げたとはいえ、まだまだ課題は山積している。

このほかアジアでは、昨年に続いて日本を上回ったシンガポールが5位、台湾が13位、香港が14位、韓国が24位、マレーシアが26位、インドが43位、中国が54位だった。

WEFは、日本経済に関して「ゆっくりだが、着実な改革の進展が実を結び始めた」と評価し、今後の具体策として(1)いっそうの歳出削減(2)消費税引き上げ(3)社会保障制度のさらなる改革―を提案している(フジサンケイビジネスアイより)。

ただ、WEFは世界中に至上主義や自由主義を蔓延させ、世界的な格差を生んでいる根元だという意見もあり、反対派も根強い。こうしたWEFの提言に安倍晋三新首相がどこまで応じるのかも、日本人として興味深いのだ。

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