先日
Narinari.comで話題として取り上げたところ、普段よりも多くの反響をいただいたマーガリンが身体に悪いという話。生活の中に溶け込み、日常的に摂取しているマーガリンだけに、身体に悪影響を及ぼすとなれば、誰でも心配になってしまうなりよね。コ○助も初めてこの話を聞いたときには、驚いたと同時に、ちょっと怖くなってしまったなりよ。
前回の記事を読んでいない人もいると思うので、なぜマーガリンが身体に悪いと言われているのかを簡単にポイントをまとめておくなりね。
・欧米を中心に「マーガリン悪玉説」が急速に支持されている。
・マーガリンに含まれる脂肪酸の一種である「トランス酸」が心筋梗塞のリスクを高める。
・トランス酸の危険性は古くから認識されていたが、1993年に動脈硬化を進行させるという説が認められた。
・トランス酸はマーガリンのほかに食用油に含まれている場合もあり、パンやケーキ、フレンチフライ、ドーナツ、クッキーなどの摂取によって体内に取り込まれる。
・米国政府はマーガリンの規制に動き出している。
正確にはマーガリンが悪いというよりも、マーガリンに含まれるトランス酸がよろしくないなりね。トランス酸はマーガリンにだけ含まれるモノでは無いなりが、マーガリンは最も摂取しやすい食品であることから、規制の対象となっているなりよ。また、心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、ドイツでは腸の慢性炎症疾患「クローン病」とマーガリンの因果関係が認められたため、こちらでも規制の対象となっているなりね。
トランス酸の危険性自体は何年も前から知られていることなら、なぜ日本では具体的な動きがないのか、と疑問を感じる人もいるかもしれないなりね。日本のマーガリンの業界団体「日本マーガリン工業会」も決してこの問題を無視しているわけではなく、トランス酸に対する見解を2004年6月に発表しているなりよ。その内容を簡単に抜粋しておくと。
・トランス酸の摂取量が、摂取した総エネルギーに占める割合(エネルギー比)でみて2%以下であれば、人体にはほとんど影響しない。
・トランス酸の国民一人一日当りの摂取量は、米国では5.8g(エネルギー比で2.6%)、西欧の14か国では1.4〜5.4g(エネルギー比で0.5〜2.1%)、日本は1.56g(エネルギー比で0.7%)。
・トランス酸の危険性は飽和脂肪酸の摂取量とも関係してくるが、これも日本人の摂取量は問題なし。それゆえ、現在の日本人の食生活において何ら問題はないと考えている。
つまり、その国々によって食生活のスタイルが異なるため、日本人が、日本で、ごくごく一般的な日本人らしい食生活を送っている限り、問題のないレベルと考えているなりね。それなら少しは安心なりが、逆に言えばやや欧米型の食生活に傾いていると自覚している人は、意識しながら生活する必要はありそうなりよ。特にひとり暮らしの若者などは、欧米型の食生活になりがちなので、気を付けていかなければ。
さて、話を米国に戻すなりが、政府が動いている規制とはまた違う方面で、マーガリンを規制する動きが出てきているなりよ。なんでも、8月10日からニューヨーク市がトランス酸に対する新たな施策を実施しているというなり。具体的には、ニューヨーク市保健精神衛生局が、市内の飲食店や食品店にトランス酸に関する情報を提供して、トランス酸を含む調理油の使用自粛を呼びかけているのだとか。自治体が率先して使用自粛を呼びかけるなんて、日本人が思っている以上に、米国でマーガリンの置かれている状況は深刻のようなりよ。
朝日新聞の記事には国立健康・栄養研究所の江崎治・生活習慣病研究部長の話が紹介されているなりが、「トランス脂肪酸の危険はたばこよりはずっと小さい。ただ、摂取量は少ない方がよく、ケーキやポテトチップスなど、トランス脂肪酸を含む食品を取りすぎないようにすべきだ。パンに大量のマーガリンをつけて食べるよりは、動物性脂肪でもバターを少しだけつける方がよさそうだ」ということなので、やはり日本人でも意識的にトランス酸を避けるような食生活を送るほうが無難なりね。摂取したからといって即、何かの影響が身体に出るわけでは無いので、あくまでも日々の心がけが大切。皆さんも、身体を大事に思うならば、トランス酸の存在を意識しながら生活してくださいませ。