プロを熱望するアマ将棋の「王者」、閉ざされた扉は開くのか。

2005/02/26 19:07 Written by コ○助

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アマチュア将棋の世界で勝率7割を誇り、昨年はプロ棋士に16勝6敗という圧倒的な好成績を収めるほどの実力を持った瀬川晶司さんという棋士がいるなり。34歳の瀬川さんは普段は普通の会社員。それだけの将棋の実力を持ち、本人も会社員の生活を辞めてプロの棋士としてやっていきたいと考えているのに、ある制度が邪魔をして瀬川さんはずっとアマチュアでの活動を余儀なくされているなりよ。

将棋の世界がどのような仕組みになっているのかは、興味がないとなかなか知ることができないなりが、良い機会なので少し見ておくことにするなりね。簡単に、どうやったらプロの棋士として活動することができるのか、日本将棋連盟が定めている規定をチェックしてみると。

・プロの棋士になるためには、まず棋士育成機関である「新進棋士奨励会」に所属しなければならない。
・「新進棋士奨励会」は三段から6級までで構成されており、二段までは東西にわかれて行い、規定の成績を上げると昇級・昇段する。
・三段になると東西をあわせてのリーグ戦を半年単位で行い、上位二名が四段に昇段。
・四弾に昇段すると、正式にプロ棋士として認められる。
・満23歳(※2003年度奨励会試験合格者より満21歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会。

なかなか厳しい規定があるようで、年齢規定をクリアできなければ強制的に退会となり、プロ棋士への道は完全に閉ざされる仕組みになっているなりね。瀬川さんもいきなり現れたアマチュアの強豪というわけではなく、もともとは「新進棋士奨励会」の会員。三段までは上り詰めたものの、満26歳の誕生日までに四段に昇段できなかったため、やむを得ず退会した経歴を持つなりよ。

退会後にアマチュアの大会などに出場するようになった瀬川さんは、アマチュアの強豪と渡り合う中でメキメキと実力を付け、今やアマチュアの全国大会でも優勝するほど。規定があるのは承知しながらも、もう一度プロになりたいという夢を公言しているなりね。また、そんな瀬川さんを応援するプロ棋士もいることから、ついに日本将棋連盟も新しい制度を作るかどうかの検討を始めるというなり。

まだ瀬川さんのプロ棋士への扉が開いたわけでは無いなりが、将棋界にとっても大きな転機を迎えそうなこの一件。「新進棋士奨励会」退会後に再びプロを目指せる方法が出来れば、何歳になっても将棋でプロを目指したいという人が次々と出てくるかもしれないなりからね。将棋界活性化のためにも良いことだと思うので、ぜひとも新制度を導入し、瀬川さんにも扉が開かれますように。

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