「CLIE」ユーザーに悲報なり。世界的にPDA市場が縮小し、昨年6月には海外市場向けの「CLIE」新機種投入が中止されていることから、そう遠くない将来に日本市場からも撤退することは予測できたことではあるなりが、ついにその時が来てしまったようなりよ。今後新機種が投入されないのはもちろん、現行機種の生産も7月をもって打ち切り。ソニーは「CLIE」から完全撤退することになったなりね。
ソニーがPalm OS搭載PDAの分野に「PEG-S500C/S300」を引っ提げて参入したのは2000年のこと。折しもPDAブームの機運が高まっている中での「純国産」Palm OS搭載PDAの登場、そして何よりもあのソニーがPalm OSに参戦するということに日本のPalmコミュニティは狂喜したなりよね。当時、日本市場におけるPalm OS搭載PDAとしては、日本IBM、Palm、Handspringに続く4番目の参入となり、活力を得たPalm OSは以降しばらくはPDA市場におけるシェアを拡大し続けていくことになるなり。
コ○助も「PEG-S300」を衝動買いしたクチ。当時のPDAの中では圧倒的なデザイン性の高さで、一目見た瞬間に恋に落ちたなりよ(笑)。たまにこの手の熱病にうなされるなりが、「PEG-S300」は瞬間的だったなりねぇ。本当はカラー液晶の「PEG-S500C」が欲しかったなりが、あまり液晶の評判が良くなかったことから、泣く泣くモノクロ液晶の「PEG-S300」のほうを選んだのをよく覚えているなり。あぁ、懐かしや。
現行ユーザーにとって気になるのは「CLIE」の今後のサポートなどについてなりが、部品の修理や保存は出荷終了後から6年間は保証されるので、その辺は心配しなくても良さそう。また、CLIE専用の電話窓口は向こう1年間は継続され、その後はVAIO専用窓口が引き継ぐようなりが、問い合わせなどはこれまでと変わらずにできるようなので実際の影響は無さそうなりね。
アメリカではPalm OSはスマートフォンへと移行しているなりが、日本にはスマートフォンの文化が無いため、行き場を失ったPalm OSは消え去るのみ。2001年にHandspring、2002年に日本IBMとPalmが日本市場から撤退、最後の砦だったソニーも今年撤退ということで、日本のPalm文化にとって大きな区切りを迎えることになってしまったなりね。Palm OSの栄枯盛衰をリアルタイムに見てきただけに、今回のソニーの撤退は寂しい限り。
「CLIE」最後の機種は、昨年9月に発表された有機ELディスプレイを搭載した「VZ90」。最後はPDAというよりは携帯AVプレーヤーのような機種だったなりが、AVとPalm OSとの融合という、ほかのメーカーに先駆けて飽くなきチャレンジをしてきた「CLIE」の魂は、きっとこれから携帯電話やAVプレーヤー、ゲーム機などに活かされていくはずなり。「CLIE」が無くなってしまうのは悲しいなりが、「CLIE」の遺伝子を受け継いだ違ったかたちの製品に期待したいなりね。