マーモットが春の訪れを予報する、アメリカの伝説。

2005/02/02 13:28 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


日本で2月に入ってすぐの行事といえば「節分」。みなさんも豆まきの計画はありますか?最近では全国的に「恵方巻」も有名になって来ましたね。ウォール家でも、寿司を食べる予定はないものの、先日5才の長女がどこで習ってきたか突然に豆まきがしたいと言い出して、鬼のお面を手作りし、

「おには そとー!」

とティッシュを丸めたモノを投げては、遊んでいました(笑)。なぜティッシュ……?どうも海外で生まれ育つと、日本の伝統がちょっとねじ曲げられてしまいますねぇ。それをあえて訂正しない親もなんですが。

さて2月といえば、こちらアメリカでも伝統的な行事があります。2月2日の「グラウンドホッグ・ディ(Groundhog Day)」がそれ。古くはヨーロッパから、ドイツ人によって伝えられた季節の節目を知らせる祝日です。まだ日本では認知度があまりないかもしれませんが、1993年に公開された「恋はデジャヴ」(主役:ビル・マーレィ、アンディー・マクドウェル)の原題がその名の通り "Groundhog Day"でした。映画のストーリー自体もこの行事に関わっているので、この作品をご覧になった方にはお馴染みかもしれませんね。

で、この「グラウンドホッグ・ディ」が一体どんな祝日かと言いますと、それは次のような言い伝えが由来となっています。古くヨーロッパでは冬至と春分の中間の日に、教会がろうそくを配ったという「キャンドルマス・ディ」がありました。その日(2月2日)の天気が良い場合は冬があと6週間も続き、逆に天気が悪いと春が近いといわれていたそうです。

それがドイツに伝わると、さらにハリネズミが伝説に加えられます。ハリネズミがキャンドルマス・ディに巣穴から出てきて、自分の影を見た場合(すなわち天気が良いと)、彼は冬眠に戻ってしまうのだそう。そうなると、春の訪れが遅くなる……と。

後日この伝説がアメリカに渡り、グラウンドホッグ(マーモット、又はウッドチャック)という動物がハリネズミにとって代わりました。それが今日のグラウンドホッグ・ディとして習慣化されたのです。

ところでこの特別な日に主役となるのは、そこら辺にいる全てのグラウンドホッグではなく、正確にはペンシルバニア州のパンクサトーニーと言う町に住んでいる「フィル」君です。このフィルが毎年ニュースに登場しては、春の予想を伝えているのです。2月といえば長い冬を経験する人々にとって、暖かい季節が待ち遠しくなって来る頃。可愛らしいグランドホッグがテレビの画面に登場するだけで、少し気持ちが晴れ晴れとします。そういった意味も込めてグラウンドホッグ・ディはアメリカ人にとって大切な祝日なのかもしれません。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.