突然現れる高い段差、中国の歩道橋に「ハードル選手専用」と揶揄も。

2010/07/15 10:45 Written by ナリナリ編集部

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交通量が多く、幅が広い道路を渡るために設置されている歩道橋。言うまでもなく、子どもから老人まで、あらゆる人が利用することを想定して作られているわけだが、中国ではこのたび、「子どもや老人、足腰の弱い人にはまったく不向き」な歩道橋が登場し、同国のネットで話題を呼んでいるようだ。

中国紙鄭州晩報によると、この歩道橋は河南省鄭州市の文化路と東風路の交差点にあるもの。2004年アテネ五輪の男子110mハードル走で金メダルを獲得した劉翔選手のジャンプ力を引き合いに“劉翔選手専用”と揶揄される歩道橋は、遠目に見ればどこにでもあるような普通の歩道橋なのだが、問題は8か所ある昇降口の内の1か所だ。

その昇降口は階段が途中で途切れ、代わりに高さ1メートル程度の大きな段差が突如として現れる。もちろん、利用者は飛び降りるしかなく、中には飛び降りることができず、足を地面に垂らすようにしてゆっくりと降りていく人もいるという。

実際、現場を訪れた人からは「女の子が(段差を見て)10数秒間止まっていた」「先に子どもを階段の上に持ち上げて、後から大人がよじ昇っていた」「思案した挙句、別の昇降口に向かった」などさまざまな証言が飛び出しており、段差をものともせずサッと飛び乗れそうな劉翔選手“専用”と言われるのも、あながち間違っているとは言えないようだ。

ネットの掲示板にも「こんな状態で利用させるなんて誰向けなのかわからん」「一般人はこの歩道橋を使ってはならない」「この歩道橋は芸術作品。観賞用である」「立ち腕立て伏せだってできるぞ」「明日ハシゴを備え付け、市民には無料で使わせてやろう」など、歩道橋に批判的なコメントがズラリと並んでいる。

ちなみにこの歩道橋。工事を担当している鄭州市政府の工事建設センター従業員は「まだ完成していないのです。変圧器を取り除く工事を行った後、すぐに残りの部分を完成させ、普通の歩道橋として使えるようになりますよ」というが、未完成で危険な状態でも通行できるように開放してしまうあたりが、なんとも中国らしいと言えるかもしれない(当の中国の人々からも疑問の声は出ているが……)。

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