“夢でめったに見られないもの”5つが判明、ハーバード大学の研究

2025/11/20 05:27 Written by ナリナリ編集部

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夢の中でスマートフォンや数字、自分自身を見ることはほとんどないという。

ハーバード大学の夢に関する研究で、“めったに見られないもの”5つが判明。スマホ、読める言葉、意味のある数字、匂いや味、そして自分自身の姿が挙がった。

日本人の1日の平均スマホ使用時間が3〜4時間とされる中、夢の世界ではその機器がほとんど登場することはないようだ。

1万6000件の夢の報告を分析した同研究。携帯電話が夢に現れるのは、女性でわずか3.55%、男性で2.69%の結果となった。代わりに車、嵐、ヘビがはるかに多く見られることがわかり、「脅威シミュレーション仮説」によるものとされている。この仮説は、現実の生活で遭遇する可能性のある脅威に対して、脳が夢を通してリハーサルを行い、対応するための生来の生存システムとして機能していることを意味する。

同大学の研究者ディアドレ・バレット博士はこう話す。

「現代生活に関連する内容は、夢の中では過小評価されています」
「夢を見る心は、人類の進化の95%以上において重要だったことを、今でも優先しているのです」

さらに、眠っている間に消えるのはスマホのようなガジェットだけではなく、夢の中で本を読もうとすると、文字がちらついたり、変形したり、意味不明な文字に変わったりする可能性が高いそうで、レム睡眠中は脳の言語処理領域が活動を停止するため、安定した文字や数字を認識することはほぼ不可能だからと説明されている。

テキサス大学オースティン校の神経科学者ベンジャミン・ベアード博士はこう話す。

「(夢の)詳細な部分は振り返ると不安定だったり変形していたりする傾向があります」

加えて感覚体験さえも簡素化されるようで、ケリー・バルクリー博士によれば、匂いや味覚が夢の報告に登場するのはわずか1%未満、これらの感覚は夢の感情的な「物語機能」にほとんど寄与しないためだという。

そして鏡に映る自分の姿も同様で、鏡が現れたとしてもそこに映る顔は奇妙な年齢だったり傷があり、もしくは全くの別人に歪めてしまうそうだ。

こういった不具合の根本原因は、夢がトップダウン方式で構築され、現実世界の入力による安定化がほぼ皆無であるからと説明されている。つまり夢は感情のリハーサル場として機能し(脅威やストレス、深層記憶への心の調整)、現実の世界を再現する能力は明らかに欠如しているという。

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