ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が死去、享年100

2023/12/01 04:18 Written by Narinari.com編集部

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ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が死去した。100歳だった。ニクソン政権とフォード政権で国務長官などを務めたキッシンジャー氏が、コネチカット州の自宅で息を引き取ったことを、故人が創立したキッシンジャー・アソシエイツが声明を通して発表した。

キッシンジャー氏の訃報を受けて、ジョージ・W・ブッシュ元米大統領は、アメリカが「外交において最も頼りになる際立った意見の持ち主の1人を失った」と、お悔みの言葉を贈っている。

1923年にドイツに生まれたキッシンジャー氏は、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害を逃れるために1938年アメリカへ渡り、1943年に同国に帰化、米陸軍で3年を過ごした後、ハーバード大学で国際関係学を教えた。

1969年にニクソン大統領の国家安全保障担当補佐官に就任。冷戦時代の外交政策に大きな影響を与えた。その後、1977年まで国務長官などを務め、ベトナム戦争からのアメリカの撤退、第四次中東戦争の停戦に貢献した。

しかしながら、人権よりも米政府とソ連との競争を優先、また抑圧的な政権を支持したという批判も受け、1973年にノーベル平和賞を受賞した際には、ノーベル委員会のメンバー2人が辞任、また同時に選出された北ベトナムのレ・ドゥク・トは受賞を拒否した。

アメリカ政府を離れた後も、長年にわたり、歴代米大統領に助言してきたキッシンジャー氏は、米中の国交正常化に寄与したことでも知られており、今年7月には100歳の誕生日を迎えたことを記念して、北京を訪れ、習近平国家主席と会談していた。

昨年の米放送局ABCのインタビューでは、過去の外交政策における決断で後悔しているものはないとして、「私は人生を通し、これらの問題について考えてきたのです。これは私の趣味であり、職業です」「ですから私による提案の数々は、当時私が出来うる限りを尽くした最高のものでした」と語っていた。

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