朝ドラ「ブギウギ」モデルの笠置シヅ子、“幻の音源”発見

2023/05/12 06:23 Written by Narinari.com編集部

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2023年10月にスタートする連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK)の主人公のモデルとなっている“ブギの女王”笠置シヅ子。そんな彼女の幻の音源「北海ブギウギ」が発見され、75年ぶりに発売する運びとなった。

朝ドラ発表以来、笠置やその代表曲「東京ブギウギ」「買物ブギー」などの作者である音楽家・服部良一にすでに大きな注目が集まっている。戦前からジャズをはじめとした舶来音楽を取り入れ、日本独自の歌謡曲へ発展させてきた服部と、類い希なパフォーマンスでその世界観を鮮やかに表現した笠置。

そこで今回、日本コロムビアがあらためて笠置の作品群を入念に整理。笠置の作品は1940年のデビュー曲の「ラッパと娘」から最後の作品とされている「たよりにしてまっせ」まで、笠置の楽曲は現存している資料の中では全57曲とされている。その中で特にタイトルに「ブギ」が付く作品は全16曲。「東京ブギウギ」「買物ブギー」「ジャングル・ブギー」「ヘイヘイブギー」などのヒット曲のほかに、“ご当地ブギ”ともいえる「大阪ブギウギ」「名古屋ブギー」「博多ブギウギ」などが存在する。

ただ、この中で、北海道を舞台にした「北海ブギウギ」だけが、現在までCD化がなされていなかった。

「北海ブギウギ」は、北海道蓄音器商組合創立十五周年記念として1948年に5枚目のブギとして発売された。1989年のCD「ブギの女王」のリリースの際、コロムビアには音源が残されていないことが分かり、SP盤を探したが見つからず、笠置のブギの中では唯一CD化できていなかった曲だ。

今回の再整理の際、なるべく良質な音源で聞いてもらえるようにと、音楽史研究家でSP盤に造詣の深い郡修彦氏に音源監修を依頼。そこで郡氏のネットワークを通じて、今回新たにSP盤愛好家の中に「北海ブギウギ」のレコード盤の所有者が見つかり、借りることになったという。

以前、前述のCD「ブギの女王」の解説書に「調達不可能にて未収録」と記載したことから、愛好家の興味を惹いたものと思われ、また世代交代とネット時代により情報交換と入手方法が容易になったことも今回の発見の要因となっている。

今回、そのSP盤の音源を使用してマスタリングし、SP盤発売以来、初CD化初配信として「北海ブギウギ」を再度、75年ぶりに発売することになった。

「北海ブギウギ」を収録したアルバム「笠置シヅ子の世界〜東京ブギウギ〜」は、7月19日、2枚組CDにて発売&初配信となる。

また日本コロムビアでは、この発表に合わせ「笠置シヅ子とブギウギの時代」と題した特設サイトも開設。笠置や、「東京ブギウギ」など笠置の多くのヒット曲を生み出した作曲家・服部良一など、ブギウギとその時代の魅力を発信していく予定だ。

制作ディレクターは「幻の『北海ブギウギ』が見つかり、今回の初めてCD化&配信することができました。今回の作品ではブギウギ関連16曲が全て収録されます。時代を超越した笠置シヅ子の持つパワフルな歌唱とリズム感を是非お楽しみください」とコメントしている。

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