EXITが「震災報道の意義」考える

2021/03/13 01:04 Written by Narinari.com編集部

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お笑いコンビ・EXITが、3月11日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。「震災報道の意義」を考えた。

番組はこの日、東日本大震災から10年を迎えるのに際して、番組MCを務めるEXITと共に「震災報道の在り方」をテーマに議論。被災者の心情を蔑ろにするような過剰取材など、災害のたびに噴出するメディアへの厳しい指摘に目を向け、震災報道の果たすべき使命や意義について考えた。

「発言を切り貼りされて不本意な編集をされた」「取材クルーからぞんざいな扱いを受けた」といった被災者から批判について、りんたろー。は「僕たちもテレビで言いたくないことを言わされたり、都合のいいところだけを使われたりと、似たような経験をしたことがある。テレビに慣れている芸人の僕らはいいけれど、一般人の方、しかも被災されて傷ついている方なら、なおさら慎重にケアすべき」と苦言を呈した。

また、震災報道の在り方については「各局が同じような映像を流しているところも変わらないといけない。そうやってどんどん衰退してきたと思うし、見ている人もバカじゃないから気付き始めている。もっと違う角度で災害を報じるテレビ局や番組があってもいいのかなと思う」とコメントした。

相方の兼近大樹は「東日本大震災が起きた当時は、19歳だった。震災のことは何年か経ってテレビのニュースを見て知ったが、その時は『こんなにひどいことがあって、つらい思いをした人がいたんだ』っていうことしか分からなくて。そこから一歩進んで、『被災者のために何ができるんだろう』ってところにたどり着けるような報道にはなっていなかったと思う」と述懐。

続けて「僕のようにクソみたいな人生を送ったヤツが震災のことを知れただけでも意味はあったと思うが、『何ができるか』まで教えてくれれば、もっと深く入っていけたのかなと思う。そして報道、ニュース番組というのは、事実を受け取るためにあると思うし、面白いか面白くないかはバラエティ番組が担えばいい。報道まで“面白ければいい”となってしまうのはクソみたいな話だ」と訴えた。

一方で、これまで何度も被災地に足を運び現場で取材した経験を持つ、番組の進行を務めるテレビ朝日の平石直之アナは「私も本当に申し訳ないと思う。取材されたこと、放送されたことにより傷つくという、あってはならないことが現実には起きている」と率直な胸の内を明かした。

その上で、「それでも震災に限らず、事件・事故も含めて、こういう節目に放送する意義はあると思う。今なお苦しむ人がいて、覚えておかないといけない教訓があったとしても、時間が経てば経つほど放送するタイミングが難しくなってしまう。そこで私が言えることは、『メディアを選んでください』ということ。そして私たちは、“選ばれるメディア”にならないといけないということ。荒らして帰るような“狩猟型”の取材ではなく、種を撒き、繰り返しお会いする中で信頼関係が芽生えていくような、“農耕型”の取材をしていきたい」と力強く語った。

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