佐藤浩市と“がっつり”共演、天海祐希「えへへ」

2018/06/06 07:02 Written by Narinari.com編集部

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俳優の佐藤浩市(57歳)、女優の天海祐希(50歳)が、テレビ東京が今秋放送するスペシャルドラマ「Aではない君と」に出演することがわかった。佐藤がテレ東ドラマに出演するのは10年ぶり、天海がテレ東ドラマへ本格的に出演するのは、これが初めて(※2017年「バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」へのゲスト出演あり)。

本作は、第37回吉川英治文学新人賞を受賞した、作家・薬丸岳原作の同名小説を初めて映像化・テレビドラマ化する作品。

佐藤が演じるのは、一人息子の翼が起こした死体遺棄事件により、翻弄されていく会社員、吉永圭一。息子は本当に人を殺したのか? 息子の犯した“罪”とは何なのか? そして、“命の意味”とは……。難題を突き付けられる難しい役柄に挑む。

天海は、翼が起こした事件を担当する弁護士・神崎京子を演じる。神崎は、逮捕後も何も語ろうとしない吉永の息子・翼にギブアップした前任者を引き継ぐ形で弁護を担当。なかなか真相への突破口を見いだせない中で、根気よく親子に寄り添い、吉永の最大の理解者として事件の真相と向き合っていく。


☆吉永圭一役 佐藤浩市 コメント

質問:出演にあたっての意気込み、吉永役への思いをお知らせください。

佐藤:薬丸岳さんの原作モノは今回で2作目ですが、どちらも“加害者家族”という、子供が殺人の罪に問われたときに、どういう形で受け止めるのかという正解のなさ……贖罪を含め、ただ「謝る」ということでは何もクリアできないという、答えがあるようでないような、そういうテーマの作品です。そんな薬丸さんの原作の難しさを僕はどういう形で提示できるのかなと…。その難しさと今、向き合っています。前回出演した(映画)『友罪』とはまた違った形で踏み込んだあり方、子どもとの距離感であったり、何かそういったものがひとつ踏み込んでできるのではないかな、と。

質問:天海祐希さんとの共演について

佐藤:天海さんと共演するのは久しぶりで…子供を持つ女性弁護士という役柄を、彼女が彼女らしく、また彼女らしくなく、どう演じてもらえるのか非常に今から楽しみです。

質問:視聴者へのメッセージ

佐藤:テレビを観られる方々が、テレビに何を求めているのかでずいぶん感じ方が変わってしまうのだと思うんだけれど、こういう題材の作品をテレビで放送するということ、それを視聴者の方に提供するということの意味を、ぜひご覧になる方々にも感じていただけたらと…。できれば避けたほうがいい題材なのかもしれないけれど、この作品に我々ができるだけ逃げずに、向き合って、向かい合って、これから作品を作ろうとしています。その想いを視聴者の方々にも何か、受け止めていただきたいなと思っています。


☆神崎京子役 天海祐希 コメント

質問:出演にあたっての意気込み、神崎役への思いを教えてください。

天海:私は、加害者、加害者側家族を支える弁護士の神崎京子を演じさせていただきます。台本を読み終わり、胸の痛みが止まらずにいました。誰の、どの立場も分かるが故、とても苦しかったです。しかし、だからこそこのドラマには、意味があるのではないかと。この作品に参加させて頂けて、大変光栄です。丁寧に丁寧に、心を込めて演じたいと思います。「Aではない君と」この作品に対する、主演の佐藤浩市さん、携わる全ての人々の思いが沢山の方々に伝わる事を願っています。

質問:佐藤浩市さんとの共演について

天海:佐藤浩市さんは、心から尊敬する先輩で、素敵な兄貴で、お芝居や向き合う姿勢、人としてなど…沢山の事を教えてくださいます。共演の経験はあるのですが、今回の様にがっつりとお芝居させて頂くのは、初めてなんです。なので、怖い反面、とても嬉しくて、やっぱり緊張して…でも、成長を見て頂きたいし。非常に複雑な心境ですが(笑)。こんなに幸せな事はないなと思って、全身全力でぶつかろうかと。えへへ。


☆原作者・薬丸岳 コメント

デビュー作である『天使のナイフ』からいくつかの少年犯罪にまつわる作品を描いてきました。その多くが、残忍な罪を犯す加害者への怒り、被害者やそのご家族が感じてらっしゃるであろう悲しみと無念、そして加害者を護るために存在する少年法への理不尽さを訴えるものでした。

テレビのニュースなどで悲惨な事件に触れると、わたしは必ず被害者やそのご家族に感情移入してしまいます。そんなわたしが殺人を犯した少年とその親に寄り添う物語である『Aではない君と』を紡いでいくのはとても難しい作業となりました。ただ、どんなに困難であっても描きたい題材でした。この作品で描かれる問題を考え続けることで、どうすればこのような悲惨な犯罪をなくすことができるのかという答えの一端が見えてくるのではないかと感じたからです。

そのような思いで紡いだ『Aではない君と』が今回、わたしも大好きな役者さんである佐藤浩市さんと天海祐希さん、また素晴らしいスタッフの手によってドラマ化していただけることになり、望外の喜びを感じております。

殺人という取り返しのつかない大きな罪を犯した少年に、佐藤さん、天海さん、そしてスタッフの皆さんが、ドラマの中でどのように寄り添い、どのように向き合い、また視聴者に向けてどのようなメッセージを導き出されるのか。今から作品の完成が楽しみでなりません。


☆塚原あゆ子監督(ドリマックス・テレビジョン)コメント

もし、近しい人が殺人罪で逮捕されたら。
その人の無実を信じられるだろうか。
その罪を受け入れられるだろうか。
許されることのない、その苦しみを一緒に背負えるのだろうか。
原作の中に流れる、答えのない問いに、胸を掴まれました。
映像化する事は非常に難しいけれど、この問いを出来るだけ多くの人に投げかけたいと思いま
した。翼という少年の真実とそれを探る父親の姿を、スタッフ一同真摯に描いていきたいと思
います。


☆テレビ東京ドラマ制作部 稲田秀樹 チーフプロデューサー コメント

数年前に原作を読んだ時、そのテーマの奥深さに心が震え、ぜひ映像化したいと思い立ちました。もともと薬丸岳先生の作品のファンでしたが、本作品はそのミステリー性の巧みさとともに、親子の情を描いたヒューマン性の豊かさが際だっています。難しいテーマながら、誰もが同じような体験をしかねない「普遍的」な内容でもあり、誰もが気軽に見られる「テレビドラマ」という形で世に出したいと考えました。

その後、様々な困難があり、なかなか実現に至らなかったのですが、結果、主要キャストに佐藤浩市さん、天海祐希さんという当代最高峰のカップリングといっていいお二人をお迎えすることができ、さらには脚本に『八重の桜』『ゲゲゲの女房』『コウノドリ』などでご活躍の山本むつみさん、そして『夜行観覧車』や『リバース』、最近では『アンナチュラル』などのヒット作が続く、今一番脂の乗ったクリエイターである新井順子プロデューサーと、塚原あゆ子監督のコンビにも参加して頂き、これ以上は望むべくもない最強の布陣が揃いました。本当に待った甲斐があったと思っています。

これからスタッフ・キャストともに難しい戦いへと挑むことになりますが、あえてエンタテインメント性にこだわりながら、最後に「何か」を残せるドラマになればと考えています。テレビ史に残る第一級のヒューマン・サスペンスを目指します。


☆あらすじ

大手建設会社に勤める吉永圭一(佐藤浩市)に前妻・青葉純子から連絡が。離れて暮らす中2の息子・青葉翼が同級生への殺人容疑で逮捕されたと言う。ネットに翼の実名や個人情報が晒され、困惑した吉永は弁護士の長戸光孝を訪ねる。早速接見するも沈黙を貫き通す翼。父にも心の内を明かさない。記者からの情報で、翼が過去に起こした万引き事件を収めたのが被害者の父で弁護士の藤井智康だと判明。そんな恩人の息子を殺したというのか…。翼の沈黙が災いし“逆送”つまり公開の法廷で刑事審判を受ける可能性が高まっていく。現状を打破すべく長戸はお母さん弁護士・神崎京子(天海祐希)を紹介。神崎は献身的に吉永親子に向き合うが、翼に変化はない。やがて神崎は保護者が弁護士同様の立場となる『付添人制度』の存在を知り…。息子の心の叫びに耳を傾け始める吉永。翼は本当に殺人を犯したのか?

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