“白人がチャイナドレス”はダメ? 大論争に

2018/05/06 12:54 Written by Narinari.com編集部

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米国の高校生にとって、卒業間近のダンスパーティーであるプロムは、高校生活の中でも卒業式と同様に大切な行事の一つ。そのプロムに着ていくドレスやタキシードを選ぶのも、お洒落が気になる年頃の彼らにとっては一大事、何か月も前からカタログを吟味したり、実際に試着をしたりと大忙しなのです。  

さて、ユタ州に住むカザイア・ダウムさん(18歳)は先日、自身のTwitterにプロムの写真をアップロードしたのですが、彼女が着ていたドレスが今、全米のメディアを巻き込んだ論争の中心になっています。彼女が身につけていたのは赤いチャイナドレス。リサイクルショップで安く手に入れたドレスながら、彼女はこれがとても気に入ったため、プロムにも着ていくことにしました。

ところが、このチャイナドレスを着たカザイアさんをTwitter上で見かけたアジア系の男性が「僕の(アジアの)文化は、君(白人であるカザイアさん)のプロムドレスにされるべきじゃない」とコメントを残したことで、注目を集めることに。人種差別が社会問題となっている米国では、マジョリティーである白人の人々が、マイノリティー・カルチャーを真似することは「嘲る」行為とみなされることもあり、批判の対象にもなりうるのです。

さらにマイノリティーの人々の中には、自身が受け継ぐはずの伝統的な文化を、他の人々に軽率に扱ってもらいたくない、という意見も。なので、カザイアさんのように白人(西洋)文化のバックグラウンドを持つ個人が、マイノリティーの民族衣装を身につける行為を「cultural appropriation(文化の盗用)」だと批判する声があります。さらにカザイアさんのアップロードした写真の中の一枚で、彼女と友人数人らが手を合わせて、お辞儀しているようなポーズであったことから、それがさらに「アジア人を真似て笑い者にしている」と受け取られてしまったようです。

このアジア系男性のコメントはTwitterで4万ものリツイートがされ、賛同する声も多く上がりました。それと同時に、そこまで目くじらを立てることはないのでは? という、カザイアさんをサポートする意見も次第に多く寄せられ、話題がさらに話題を呼び、インターネットのみならず、カザイアさんのチャイナドレス姿は、数日後にはマスメディアでも取り上げられるようになりました。

この反応に対して、カザイアさん自身も驚いたようですが「cultural apropriation ではなく、cultural appreciation(文化の評価・感謝)の意味があった」と反論。「チャイナドレスは、女性美の賞賛、解放を象徴するものだと学びました。それを身につけることによって、中国文化を好意的に評価したつもりです」と語っており、謝罪をする必要性はないと主張しています。

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